Ⅰ
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*珍しく不安定気味のさっくん。
『さくちゃん。』
「ん~?」
ここ最近仕事以外に会うことがない人の声に振り返ると銀髪の髪を靡かせてこちらに手を挙げる紗雪の姿にほかに誰でもない俺の名前を呼ぶ彼女の声に吸い込まれる様に街中のど真ん中で彼女に抱き着いた。オフなのは知っていたけど、俺も含めメンバーに大なり小なり好かれてる彼女はいつもオフは予約でいっぱいなのだ。だからこそ、偶然とは言え、隣に誰もいない彼女に見つけてもらった俺は幸福者だ。彼女との仕事が極端に今月は少なくていつもの元気が出ないのもあったから強めに抱き着きなおす。
『阿部ちゃんの言うとおりだったか。』
「俺といるのにほかの男の名前出すのやだ。」
『あー、とりあえず車で来てるから乗る?』
『さくちゃんはなんで来たの?』と自分に抱き着く俺を軽々と抱き着かせたまま歩く紗雪。街中の人たちの視線なんて気にしてないのか、それとも俺がいつもと違うのをあらかじめ阿部ちゃんから聞いていたのか、俺を優先するその行動に少しだけ優越感を感じながら「電車」とだけここまできた手段を伝えると、『じゃあ、一緒にドライブしよっか』と笑いかけてくれた。
「どこ連れて行ってくれるの?」
『さくちゃんの行きたいとこでいいよ?』
「紗雪の家。」
『・・・だと思った。』
お泊りはしないよね~?と冗談交じりに言う声に、泊まると即答すると紗雪は少しだけ目を丸めながらも、『明日の仕事一緒がいいってこと?』と先を読んだ言葉をくれる。その言葉に助手席に座りながら無言で頷くと『爆発するの2人目か~』と笑いながら、途中で俺の家に寄ってもらって必要なものをもって改めて俺と紗雪は紗雪の家に向かうのだった。
『先にお風呂入っておいで。』
「んえ?」
『顔、疲れ切ってるからマッサージしてあげる。』
「!わかった。」
『・・・さくちゃん、お疲れ様』
家に着くと早々にお風呂に入れと言われたので大人しく従う。何だかんだで紗雪はメンバー全員に平等に優しい。それが時に、歯がゆい時もあるけど、彼女の声で名前を呼ばれただけで心のもやもやが晴れてるから今後もそんな彼女の優しさに甘えるのか、と考えながらお風呂場に向かうのだった。
『・・・これだと、ほかのみんなもそれぞれ限界かもな~』
「んにゃ~?」
『ん~、うちの奴らは甘え下手が多くて困るって話。』
「紗雪だから甘えてるってこと忘れないで欲しいでやんす。」
『それはまあ、わかってるけどさ。』
「変わることだけは絶対やだ。お願い、紗雪」
お風呂に上がると紗雪の手で丁寧に肌のケアをしてくれてその後に疲れが取れるマッサージもしてくれてる間に彼女の声に反応しながら、彼女が前に撮影の時に言った俺の好きな顔でそう懇願すると、困った顔で笑う彼女はやっぱり優しすぎる。
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