真田 弦一郎
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「プール行きましょうよ〜、お願い!」
赤也が丸井の腕を掴んで駄々を捏ねている。なんでも、自分の彼女とプールに行きたいが、二人きりはちょっと…、とやんわり断られてしまったらしい。
「ねーセンパイ方お願い!初デートなんスよ!」
つまり、二人きりでなければいいということ。
そして、男女比率は差がない方がいい。夏休み中だし、クラスメイトとも会えない時期で、どうしても彼女の水着姿が見たい赤也は切実だった。普段なら絶対誘わないような俺達にこんな頼み事するなんて…。
皆に紹介できるような特定の子はおらんから、と仁王は戦線離脱し、皆さんにお見せするのは少し…と嫉妬心を露わにする柳生は渋い顔をしていた。
かく言う俺も、柳生と同じような感じで、乗り気なのは丸井、意外にも幸村といったところであった。彼女がいないジャッカルは早々に帰宅した。こういう時に限ってよく分からないがノリのいい真田は、横目で赤也をチラチラ見ながら誘われるのを待っていた。
行きたい、と言えば可愛らしいのに。幸村もそんな真田を馬鹿にしてクスクス笑っていた。
「あ、彼女がいる人限定ッスよ。うちの、取られたくないし、あと、人数余るとよくないじゃないっすか。」
ああ、念押しされて可哀想な真田。じゃあ丸井センパイ、幸村部長、俺、3組のカップルで決定かな、と赤也が決め始めた頃、無言を貫き通していた真田がゴホン、と咳払いをした。
「は、初デートでプールだと、やはり女子はいい気がしないものか?」
「いや、人によると思いますけど…。」
決まりかけていたのに、真田に話の腰を折られ少し赤也が不機嫌なるのが見えた。
「え、プールじゃなきゃいいだろってことッスか?」
「ああ、いや…」
珍しく真田がどもった。こうなると、責めては話が出てこなくなるので、優しく幸村が問いかけた。
「真田、何か言いたいことがあるんじゃない?」
「俺も、プールに行きたいんだ。」
「だってさ、赤也、どう?」
「ど、どうって言われましても…」
そりゃ、鬼の副部長にプールに連れていけなんて言われたら断りづらいだろう。俺たち、彼女を連れていかない組で男子だけで集まろうか、と提案しかけた頃、
「勿論、彼女を連れていこう。しかし、は、は、初デートなんだ。」
真田に視線が集中するのを感じた。柳生に至っては眼鏡をクイッと上げた。
「それはおまいさんに彼女がいるってことか?」
いつも真田はウブじゃから、と馬鹿にしがちだった仁王が沈黙を破った。
「うむ、そう言ったつもりであったが。」
「クラスではそのような素振りは見ませんでしたが?」
真田と同じクラスの柳生が、言った。クラスメイトでは無いということだろうか。いや、しかし真田限ってクラスメイト以外の女子と接点なんて…。
「クラスメイト、だ。学期のはじめに、連絡先を交換して、ずっとメールか電話でやり取りをしていたんだが、つい昨日、告白が受理されたのでな…」
「真田も、恋なんてするんだね…。」
幸村がしみじみと言った。しまったなぁ、幸村が俺を見ている。教えとけよ、という顔をしている。すまん、流石に真田が恋愛に首を突っ込むと思ってもみなくて、完全にノーマークだった。彼女の名前も、ましてやいることすら気が付かなかった。
聞いてもいないのに、真田は自慢がしたいのか勝手に話し始めたので、幸村、それで勘弁してくれないか。
「名前は、苗字というんだが、クラスの課題のことで話す事があってな。今時の子らは、わりとポンポンと連絡先を渡すのだな。たった二言三言交わしただけで、同じクラスにせっかくなったんだから、と渡されたから、」
それで、律儀に真田は連絡を返したわけか。推測するに、メールだけのやり取りが何ヶ月も続き、ちゃっかり恋に落ちたというわけだ。
「学校で普段会話することなどなかったのだが、メールでは毎晩のように会話していて、自然とに目で追うようにはなっていた。」
「副部長らしくなくて、可愛いッスね」
「む、そ、そうなのか?苗字には、よく言われるが…」
「あ、ソっすか。」
「先日夏休みに入ってから、学校が無くて会えなくて寂しいね、というもんだからつい勢いで告白してしまって、デートという存在に気が付いてからずっとどうしたらいいか悩んでいたんだ。もし、初デートでプールというのが、世間一般で変でなければ、是非、一緒に行かせてくれないか?」
赤面しながら、後輩の赤也に頭を下げる真田がなんだか情けなくて、でもそんな姿が愛おしく感じる。彼女の苗字さんの気持ちが少しわかったような気がした。
「条件もちゃんと守ってるし、いいっすよ!その、苗字さん、ちゃんと紹介してくださいね!」
そんな面白い展開になるなら、とワシも私もと、参加者が増えていった。無論、俺も参加しよう。
苗字さん見たさに、すみません、どうぞ真田をよろしくお願いします。
赤也が丸井の腕を掴んで駄々を捏ねている。なんでも、自分の彼女とプールに行きたいが、二人きりはちょっと…、とやんわり断られてしまったらしい。
「ねーセンパイ方お願い!初デートなんスよ!」
つまり、二人きりでなければいいということ。
そして、男女比率は差がない方がいい。夏休み中だし、クラスメイトとも会えない時期で、どうしても彼女の水着姿が見たい赤也は切実だった。普段なら絶対誘わないような俺達にこんな頼み事するなんて…。
皆に紹介できるような特定の子はおらんから、と仁王は戦線離脱し、皆さんにお見せするのは少し…と嫉妬心を露わにする柳生は渋い顔をしていた。
かく言う俺も、柳生と同じような感じで、乗り気なのは丸井、意外にも幸村といったところであった。彼女がいないジャッカルは早々に帰宅した。こういう時に限ってよく分からないがノリのいい真田は、横目で赤也をチラチラ見ながら誘われるのを待っていた。
行きたい、と言えば可愛らしいのに。幸村もそんな真田を馬鹿にしてクスクス笑っていた。
「あ、彼女がいる人限定ッスよ。うちの、取られたくないし、あと、人数余るとよくないじゃないっすか。」
ああ、念押しされて可哀想な真田。じゃあ丸井センパイ、幸村部長、俺、3組のカップルで決定かな、と赤也が決め始めた頃、無言を貫き通していた真田がゴホン、と咳払いをした。
「は、初デートでプールだと、やはり女子はいい気がしないものか?」
「いや、人によると思いますけど…。」
決まりかけていたのに、真田に話の腰を折られ少し赤也が不機嫌なるのが見えた。
「え、プールじゃなきゃいいだろってことッスか?」
「ああ、いや…」
珍しく真田がどもった。こうなると、責めては話が出てこなくなるので、優しく幸村が問いかけた。
「真田、何か言いたいことがあるんじゃない?」
「俺も、プールに行きたいんだ。」
「だってさ、赤也、どう?」
「ど、どうって言われましても…」
そりゃ、鬼の副部長にプールに連れていけなんて言われたら断りづらいだろう。俺たち、彼女を連れていかない組で男子だけで集まろうか、と提案しかけた頃、
「勿論、彼女を連れていこう。しかし、は、は、初デートなんだ。」
真田に視線が集中するのを感じた。柳生に至っては眼鏡をクイッと上げた。
「それはおまいさんに彼女がいるってことか?」
いつも真田はウブじゃから、と馬鹿にしがちだった仁王が沈黙を破った。
「うむ、そう言ったつもりであったが。」
「クラスではそのような素振りは見ませんでしたが?」
真田と同じクラスの柳生が、言った。クラスメイトでは無いということだろうか。いや、しかし真田限ってクラスメイト以外の女子と接点なんて…。
「クラスメイト、だ。学期のはじめに、連絡先を交換して、ずっとメールか電話でやり取りをしていたんだが、つい昨日、告白が受理されたのでな…」
「真田も、恋なんてするんだね…。」
幸村がしみじみと言った。しまったなぁ、幸村が俺を見ている。教えとけよ、という顔をしている。すまん、流石に真田が恋愛に首を突っ込むと思ってもみなくて、完全にノーマークだった。彼女の名前も、ましてやいることすら気が付かなかった。
聞いてもいないのに、真田は自慢がしたいのか勝手に話し始めたので、幸村、それで勘弁してくれないか。
「名前は、苗字というんだが、クラスの課題のことで話す事があってな。今時の子らは、わりとポンポンと連絡先を渡すのだな。たった二言三言交わしただけで、同じクラスにせっかくなったんだから、と渡されたから、」
それで、律儀に真田は連絡を返したわけか。推測するに、メールだけのやり取りが何ヶ月も続き、ちゃっかり恋に落ちたというわけだ。
「学校で普段会話することなどなかったのだが、メールでは毎晩のように会話していて、自然とに目で追うようにはなっていた。」
「副部長らしくなくて、可愛いッスね」
「む、そ、そうなのか?苗字には、よく言われるが…」
「あ、ソっすか。」
「先日夏休みに入ってから、学校が無くて会えなくて寂しいね、というもんだからつい勢いで告白してしまって、デートという存在に気が付いてからずっとどうしたらいいか悩んでいたんだ。もし、初デートでプールというのが、世間一般で変でなければ、是非、一緒に行かせてくれないか?」
赤面しながら、後輩の赤也に頭を下げる真田がなんだか情けなくて、でもそんな姿が愛おしく感じる。彼女の苗字さんの気持ちが少しわかったような気がした。
「条件もちゃんと守ってるし、いいっすよ!その、苗字さん、ちゃんと紹介してくださいね!」
そんな面白い展開になるなら、とワシも私もと、参加者が増えていった。無論、俺も参加しよう。
苗字さん見たさに、すみません、どうぞ真田をよろしくお願いします。
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