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「触れたのは、手より先に、たぶん心でした」

🌙 あなたside

ベッドに入って、目を閉じた。
でも、どうしてもまぶたの裏に浮かぶのは、
あの人の顔と、
自分の手の中にあった、やさしいぬくもり。

(……つないだ、んだよね。ちゃんと)

初めてだった。

手をつなぐだけで、
こんなに何もかも崩れ落ちそうになるなんて。

(心臓、すごかった。たぶん、バレてたかも)

彼の手は、真面目で、真っ直ぐで、
指先まで丁寧に、自分のことを大切に包んでくれるような温度だった。

(……また、つなげるかな)

どこにも出せない、でも胸いっぱいに溢れてる「好き」の気持ちが、
今夜はやけに苦しくて。

手を胸に当てて、そっと呟く。

「……山崎さん」

誰にも届かない、小さな声。
でももしかしたら、同じ夜の中で、彼も思い出してくれてたらいいな――

そんなふうに願いながら、静かに目を閉じた。
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