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「雨が降らなくても、会いたいと思った」

しばらく歩きながら、何でもない話をした。
店のこと、仕事のこと、最近はまってる甘いものの話。

彼女の言葉に、何度も笑った。
“声が聞ける”って、それだけでしあわせだった。

帰り道。
人通りの少ない交差点で、意を決して口を開いた。

「……○○さん。あの、よければなんですけど」

「はい」

「連絡先、……教えてもらえませんか?」

彼女は、少しだけ驚いたように、
でもすぐにやわらかく微笑んだ。

「やっと、ですね」

そう言ってスマホを取り出してくれた、その笑顔が、
忘れられないものになった。
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