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「出会いなんて、たいしたことないと思ってたくせに」

すれ違いざま、彼女と目が合った。

ほんの一瞬だった。
でも、その目がやけに強く印象に残った。

大人しくて、芯がある。
目に宿る光が、派手な街の中で一番静かだった。

(……こういう人がいるんだ)

それだけのことだった。
ただ、すれ違っただけ。

でも。

その日から、なぜかそのビルの前を通ると、
あの人の姿を探してしまうようになった。
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