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「出会いなんて、たいしたことないと思ってたくせに」

あれは、ある夜の見回り中だった。
屯所に戻る途中、街中を通った。

夜の歓楽街。
明かりがぎらぎらしていて、
どこか喧騒と色気がごちゃ混ぜになってる、あの通り。

(こんな場所、長居するもんじゃない)

そう思っていた。

でも――
あのとき、ふと目に入った。

ビルの入り口で、
キャバ嬢たちが並んで談笑している、その一角。

ひとりだけ、雰囲気の違う人がいた。

華やかな見た目の中に、
静かさをまとった女性。

(……なんでだろう)

気づけば、視線がその人に吸い寄せられていた。

同じ制服を着ていても、
まるで別世界の空気をまとうような。

けれど、不思議と浮いていなかった。
ちゃんと馴染んでいて、笑っていて――でもその笑いが、
どこか寂しそうに見えたのは、気のせいだったのだろうか。
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