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「ただの“また今度”じゃない」

外に出ると、
夜の空気がひやりと冷たかった。

でも、コートのポケットに入れた手のひらは、
ほんのすこし前まで彼女のぬくもりに触れていたせいか、まだ温かくて。

(次は、もっと自然に手を握れるといいな)

(今度は、もっとちゃんと伝えられたら――)

ポケットの中で、握った拳がゆっくりほどけた。

ふたりの距離はまだ“好き”を言葉にしていないけれど、
この夜の終わりに交わした「また」は、
たしかに“次へ進む合図”になったと思う。
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