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「ただの“また今度”じゃない」

あたたかかったキッチン。
やさしく笑った彼女の横顔。
重なった指先の余韻が、手のひらにじんわり残っている。

帰り支度をしながらも、
どこか現実感がなかった。
まるで夢を見ていたみたいに、
この数時間がまるごと胸に残っていて。

靴を履いて、玄関のドアの前に立つ。
彼女は小さなランプの明かりをつけたまま、
少しだけ寂しそうな笑顔で見送ろうとしていた。

(……ほんとは、もう少しいたい)
(でも、言えない)

だから、その代わりに、口を開いた。
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