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銀メダルには興味ない

彼につれてこられたのは、とても綺麗で広々とした会議室だった。
私は休憩室にある自動販売機の目の前のソファで面談をして断ろうと思っていたから、会議室に連れてこられてはとても断わりずらい気持ちでいた。
急いでいるというのに、会議室に連れてくるという真面目な一面に努力して選手になった人だけあるなと感心した。

「秦野さんはどうしてそこの学科にはいったの?」

「え?」

「スポーツ好きとか、なんかいろいろあるからそこの学科にはいったわけでしょ?どうして?」

「えっと、、、」

急に真面目な質問をされて拍子抜けしてしまった、この人も田中コーチと一緒で急にぶっこんでくる。

「私、もともとは踊る方のバレーを小さい頃からしてて。本当はバレーダンサーになりたかったんです、でも色々あって諦めてしまって。だから、少しでも」

「諦めちゃったの?、、、秦野さんは妥協でその学科を選んだの?」

妥協といえば妥協だった。バレーの命でもある足首を複雑骨折してから治癒するまで自分を追い抜いていくライバルたちに嫌気と諦めをかんじやめてしまった。
妥協で選んだという言葉は図星だった。

「いやっ、妥協というか、、、」

「酷いこというつもりはないんですけど、妥協した人にどんなサポートができるんですか?」

だだっ広い会議室の丸いテーブルを挟んで彼が険しそうな顔でめんどくさそうに言った
彼がいう言葉全てが図星だった。
でも、妥協したなりに妥協したで、わたしにも考えがある、諦めた人だからこそ本気でスポーツをやってる人のサポートをしたい。
怪我をしたらメンタルも健康も支えたい。
その気持ちでこの学科にはいった。妥協であってもちゃんとした理由はある

「わたしはたしかに、諦めた人間ですけど。諦めるのも勇気がいるんです。そんな人を出さないように、選手のサポートをしたいから、だからこの学科にはいりました。」

「僕は諦めたこともないしこれからも諦める気はないです」

「そうゆうことじゃなくて、!、」

「、、、ふふっ」

わたしの必死な顔を見て笑ったのか、何で笑ったのかわからないが、彼はふにゃっとした笑顔で笑っていた
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