「そういえば、すっごく日本語上手なんだねぇ……お姉さんびっくりしちゃった。
それに喋り方も大人っぽくて、すごいなぁ。」


変わらずに屈託のない笑顔で言うものだから、ぱちぱちと瞬きを数回して不思議そうに少女を見つめた後、深く「はぁ～～～……。」と溜息を吐いた。
そんな白夜の様子に本当に驚いたのか、「え、えぇ？！どうしたの？」と声を上げていた。


「あんた、もしかして私を異国の人間の娘か何かと思ってるんじゃないでしょうね？」

「えっ？えぇ～～～？！違うの？綺麗な銀色の髪だからてっきり…………あ、もしかしてその耳と着物に合わせたコスプレだったり……？」

「違うわよ！耳も髪も本物！
だいたい、私、人間じゃないし、多分あんたよりずっと年上…………」


そう、白夜が言い終わるか、終わらないかのタイミングで、「ええええ？！じゃあもしかして妖怪？！」と叫んでいた。さっきから本当に騒がしい人間だ。


「あら、妖怪について知っているのね……じゃあ話は早いわ。」

「あっ……まぁ…………白夜ちゃんが本当に妖怪ならこの通り見える体質だからね…………あっ、大丈夫？今更かもしれないけど、私、怖い人間じゃないからね……？」

「別に怖がってなんかないわ、むしろ愉快な人間だと思ってるもの。」

「あっ、そっかぁ、良かった。」


ほっ、と胸を撫で下ろしたような表情を見せたが、一呼吸ほど置いて、「あれ？なんだか貶されてるような……？」なんて言っていたことは知らないふりをしよう。

そもそも、妖怪側である白夜が「怖くないよ」と言うのなら分かる。しかし、人間である少女が「怖くないよ」と言うのは意味が分からない、十分に愉快な人間だろう、と白夜は思った。


「あっ、そういえば……さっき、何かを探してたりしてなかった？道のど真ん中にいたから、どうしたのかな～って見てたんだけど……。」

「あら、よく見ているのね……。」

「そりゃ美少女を見守ることが私の指め…………ごほん、やっぱり道のど真ん中に女の子がいたら気になっちゃうじゃん？」

「うん……前半部分は聞かなかったことにしてあげるわ。
その代わりに聞きたいのだけど、これが何か分かるかしら？」

「ん？どれどれ……。」