願わくば麗らかな魔女に祝福を
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あの事件が起こってから私は思い入れの深い家に帰宅してない。いや、帰宅できてない。温かい思い出を思い出して泣いてしまうからだ。決意が揺らいでしまうからだ。しかし、今回は昔馴染みを呼ぶためにわざわざ家の明かりをつけた。
誰も足を踏み入れず寂しげな埃をかぶった家を綺麗にし、台所で紅茶を入れて簡単なおやつを作った。そんなことをしてるうちに二人が来て、リビングにお通しし、おもてなしをした。
思い出話に花を咲かせてると
「禁忌を犯すのだな」
「真面目なあなたらしくないですね、茜」
と仰るお二人の優しい声に私の胸はとても痛んだ。白龍さまと黒龍さまは天界のお方。魔法帝国は天界とも繋がりがあるので彼らは度々遊びにくる。この腐ってどうしようもない世界に。
このお二方はどういった経緯で知り合ったかは話したくない。幸せだった過去を思い出してしまうから。
「えぇ、禁忌を犯しますわ」
「そうか…」
「別に止めませんよ」
黒龍さまは私の顔を見つめながら白龍様は紅茶を飲みながら仰る。
てっきり止められるかと思った私は拍子抜けしてしまった。
「止めないのですか?」
私は落ち着きもなく指をくるくると動かした。
「なんだ止めて欲しかったのか?」と黒龍さまが笑い出した。
「止めて言うことを聞くあなたならとっくの昔に止めてますよ」と白龍さまは呆れながら仰った。
確かにそうだと私は納得した。
私がいたずらをしようとするものなら二人は早くにそれを阻止していた。
もし、今回の禁忌を止めようものなら先回りして阻止をしているはず。そんなアクションを起こしてこない。
「私は見放されてしまったのですか?」と苦笑気味で聴けば二人は首を横に降った。
「チビの頃から見てるお前を見放すわけないだろう」と黒龍さまは苦笑気味で私の頭を撫でた。ウェーブのかかった金髪がふわりと揺れた。
「あなたが幸せを掴むためならどんなに悪いことでも、受け入れます」
「幸せになるんだろ?なら、そんな悲しそうな顔をしてはだめだ」
鏡で見なくとも私の顔は悲しみに歪んでることは明白だった。私の決意は固かったはずなのに、あの人と幸せになるのならどんな障害も乗り越えられるはずだったのに。その障害は私だけでなく大っ嫌いな故郷に残していく家族にまで及ぶことは明白だった。
恐らく、黒龍様や白竜様にもその気概が及ぶかもしれない。
「オレたちのことは気にしないで幸せになれよ」
と黒龍さまがまた私の頭を撫でる。
白龍様が私の手を握ってくれる。
「あなたは強い子です。きっと、あの子をお守りできるでしょう。大丈夫」
かけてくださるのは優しくて温かい言葉。私の目頭は熱くなる。涙をこぼしてしまったらお二人はお困りになる。私は静かにうなづくしかなかった。
決意を固めた魔女に幸せを
たくさんの人を悲しませた私は地獄に行って鬼灯さまに裁かれてしまうわね。
誰も足を踏み入れず寂しげな埃をかぶった家を綺麗にし、台所で紅茶を入れて簡単なおやつを作った。そんなことをしてるうちに二人が来て、リビングにお通しし、おもてなしをした。
思い出話に花を咲かせてると
「禁忌を犯すのだな」
「真面目なあなたらしくないですね、茜」
と仰るお二人の優しい声に私の胸はとても痛んだ。白龍さまと黒龍さまは天界のお方。魔法帝国は天界とも繋がりがあるので彼らは度々遊びにくる。この腐ってどうしようもない世界に。
このお二方はどういった経緯で知り合ったかは話したくない。幸せだった過去を思い出してしまうから。
「えぇ、禁忌を犯しますわ」
「そうか…」
「別に止めませんよ」
黒龍さまは私の顔を見つめながら白龍様は紅茶を飲みながら仰る。
てっきり止められるかと思った私は拍子抜けしてしまった。
「止めないのですか?」
私は落ち着きもなく指をくるくると動かした。
「なんだ止めて欲しかったのか?」と黒龍さまが笑い出した。
「止めて言うことを聞くあなたならとっくの昔に止めてますよ」と白龍さまは呆れながら仰った。
確かにそうだと私は納得した。
私がいたずらをしようとするものなら二人は早くにそれを阻止していた。
もし、今回の禁忌を止めようものなら先回りして阻止をしているはず。そんなアクションを起こしてこない。
「私は見放されてしまったのですか?」と苦笑気味で聴けば二人は首を横に降った。
「チビの頃から見てるお前を見放すわけないだろう」と黒龍さまは苦笑気味で私の頭を撫でた。ウェーブのかかった金髪がふわりと揺れた。
「あなたが幸せを掴むためならどんなに悪いことでも、受け入れます」
「幸せになるんだろ?なら、そんな悲しそうな顔をしてはだめだ」
鏡で見なくとも私の顔は悲しみに歪んでることは明白だった。私の決意は固かったはずなのに、あの人と幸せになるのならどんな障害も乗り越えられるはずだったのに。その障害は私だけでなく大っ嫌いな故郷に残していく家族にまで及ぶことは明白だった。
恐らく、黒龍様や白竜様にもその気概が及ぶかもしれない。
「オレたちのことは気にしないで幸せになれよ」
と黒龍さまがまた私の頭を撫でる。
白龍様が私の手を握ってくれる。
「あなたは強い子です。きっと、あの子をお守りできるでしょう。大丈夫」
かけてくださるのは優しくて温かい言葉。私の目頭は熱くなる。涙をこぼしてしまったらお二人はお困りになる。私は静かにうなづくしかなかった。
決意を固めた魔女に幸せを
たくさんの人を悲しませた私は地獄に行って鬼灯さまに裁かれてしまうわね。