ヒーローに戻る!の巻

「時間はかかったようだが要約
無くした認定証を自分の手にしたようだな、
これでお前はヒーローに戻れる」
「‥し、しかし私にはヒーローの資格など」
「バカモノーーーー!!!!」


会長の拳が天才マンの頬に決まった
衝撃で天才マンは飛ばされたが‥
痛いとは思わなかった
‥むしろ、温かみを感じた



「お前は今のラッキーマンの話を
聞いて何も思わんのか!!
なぜお前を助けたと思う!!
何故お前に認定証を返したと思う!!
お前にヒーローに戻って欲しいからじゃないかーーーー!!」



しぃん‥と辺りが静まり返り‥
中にはすすり泣く人の声も聞こえる
涙をにじませて天才マンは大ガマを振り向く
‥大ガマはと言えば、目を吊り上がらせ
辺りを見回してよっちゃんを探していた



「‥出入口は?‥さっきの地割れは修復されちまったし‥」
「(‥もう次の戦いに向けて意識を集中させている‥!!ラッキーマン‥ああ、
ラッキーマン‥!私にはお前が後光がさして見える!!)」
「(照明強いし眩しいな)」



天才マンの目には大ガマの背に後光が
さして見えたが‥単に照明が強いだけであった



「ラッキーマンの言う通り認定証を
無くさねば欠点には気づけなかった‥
長い試練と思えればいいでは無いか」



その様子を‥面白くなさげ見ていたのは
よっちゃんであった



「(馬鹿なヤツだ天才マン、今度は
会長とラッキーマンに丸め込まれようとしている‥
ラッキーマンにすら勝てない上に隙を
つかれる男だ‥そんな男は‥)」


「いらん!!」



手元のボタンを押すと‥天才マンの
後ろの位置にある塀からレーザーが現れ
天才マンを狙う!!



「(会長とラッキーマンの言うことも染みる‥しかし‥)」



しかしそれを‥見逃さなぬ男がいた


「‥やっぱりあそこの出入口から‥
ん!?なんだあれ‥カメラか?」


それを見つけたのは辺りを見回す大ガマだった
隠しカメラかと思ったが‥違うと察した
なぜならそのカメラのような物は
天才マンの背を狙っていたからだ



「(‥ちげぇ、あれは‥レーザーか!?)」



天才マンが狙われていると知った
大ガマは怒りが心の底から湧き
咄嗟に天才マンの元へと走ってゆく!!



「(あの野郎め!!俺に勝てねぇと知ったら
お役目御免で殺すってか!!許せねぇ!!)」


レーザーが発射され‥大ガマが
彼の名を叫びながら駆けつける!!



「あぶねぇ!!ボサっとすんな!!」
「わっ!?」



駆けつけた大ガマはギリギリで間に合い
姫抱きの形で天才マンの体を抱き上げて
スライディングして滑り込んだ
そんな大ガマの背をレーザーがギリギリでかすり‥!!



ドォォォォン!!!!



「はっ、!?」
「ギリギリセーフ‥」
「おぉーー!!天才マンを狙った
光線からラッキーマンが助けた!!」



またしても命を助けられた、と
自分を抱えてレーザーが出た方向を
大ガマが睨みつけていた‥



「気に入らねぇな…よっちゃんの野郎が…!!」
「(ラッキーマン…2度までも私の命を、
そんなにまで私の事を!!)」



そして気がついた
彼に勝てなかった自分はもう要らないから
殺すという事だということに!!



「…ラッキーマン、とりあえず下ろしてください」
「え?あーわりぃ‥てかなんで敬語?」



そういえば抱えたままだと気がついて
下ろすと、大ガマの手を天才マンの手が
包み込んだ



「…これで決まりですね、貴方の気持ち
わかりました…」
「…てことは?」

「私はヒーローに戻る!!」
「天才マン!」



そう覚悟した天才マンに大ガマは
嬉しそうに笑うと片手の親指を立てた



「そう来なくっちゃな!!」



そんな雰囲気の中…拍手が聞こえてきた
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