最強男爵の巻

「…なーんか…外に出たくねぇな」


顔を顰めて大ガマは嫌そうな顔を
しながらも寝床からでた。
人間に転生してからの大ガマの
この嫌な予感は今まで外れた
事は無い…それも今回の嫌な予感は



「なんか面倒な予感がするぜ………」



なんだが面倒な予感がするのだ
だからぶっちゃけ休みたかったが
仕方無い、休む訳には行かないので
用意をして大ガマは外へ出た…のだが



ヒュー…………



「あぁん?ってうぉぉ!?!?」



変な音が聞こえて大ガマが上を見ると
そこにはシルクハット型のUFOが
落ちてきていたので大ガマは急いで
その場から退いて避けた。
UFOは避けて直ぐに地面にめり込んだ



「予感的中……外れててよかったのによ」



なんだこのUFOはと首を傾げていると
中から黒いスーツとマントにシルクハット
を被った男とドラム缶型の体をしたロボット
が降りてきて辺りを見回す。


「ラッキーマンに変身する、追手内洋一という奴の家はこの辺の筈だが…」
「なにぃっ!?」


男のセリフに大ガマは身構えて睨みつける
なぜ自分の正体を、こいつは只者では無いと察した



「ついに見付けたぞ!!追手内洋一、いやラッキーマン!!」
「(そういうカッコいい台詞はしっかり自分で言うのね…)」
「テメェ、何故それを知ってんだ!!」
「どうして知ってるかよーく教えてやろう」


よーじよーじ、と最強男爵は
みっともなく電柱からよじ降り始める…



「「(飛べないなら登るなよ)」」



バトラーくんと大ガマの意見は一致した
そしてゼェゼェと息を斬らせながら
最強男爵は機械を取り出す



「知りたいならこれをどうぞぉ!!私の華麗なる過去が分かる振り返るくんだ!ここに100円ね」
「誰が入れるかよボケ」
「何ーっ!?ボケだと!?」
「(たしかにな)」



大ガマは腕を組みくだらなそうにしていた



「知りたいだろワガハイの事がー!!ほら100円!!」
「知りたかねぇよどうせ倒す宇宙人の事なんざ覚えててもしょうがねぇし」
「んな事言わずに!!」
「ナンセンスなオッサンうっせぇっつーの、あんたのメカのネームセンスねぇぜ、何何くんだとかよぉ」
「なんだとー!?!?」
「(ぶふっ!!確かに!!)」



大ガマのその言葉に怒る最強男爵と
それを見て笑いをこらえるバトラーくん
最強男爵は渋々と自分の過去を語り出した…
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