塵も積もればの巻

今ここに、勝利マンと努力マンの
兄弟タッグが実現した!!
そして放って置かれていた鋼鉄マン
はと言えば…努力マンの鉄下駄の
硬さに驚き、眉をしかめていた


「…俺のダイヤをも砕くこの体でも
あの鉄下駄は砕け無かった、あの鉄下駄は
どんな物質で出来ていたんだ!?」
「教えてやろう、この下駄が何でできているか!

……この下駄は、豆腐でできている!!!しかも絹ごし!」

「…は?え?」
「「ええーーーーーーー!?!?」」


そう、努力マンの鉄下駄の正体は…
カチカチに叩きあげられた豆腐!
しかも宇宙一の鍛治職人である
良い子が住んでる良い街星のカチカチ・カチンナ
先生に弟子入りをしたのだ

カチンナ先生は金属はもちろん
どんなものでも固く叩きあげる達人であった
そして最後の試練として与えられたのが…
豆腐を硬い鉄下駄にする試練であったのだ…


「…食いもん粗末にしていいのかよ」


ぼそっと呟いた大ガマのツッコミの通り…
食べ物を粗末にするなと言う人の言葉にも
負けずに努力マンは豆腐をそーっとそーっと
鍛えることでこの鉄下駄を作ることに成功したのだ…



「その血と汗と努力の結晶の鉄下駄が
そんなに簡単にくだかれてたまるかー!!」
「それ鉄下駄じゃなくて豆腐下駄なんじゃねーの」


大ガマのツッコミが今日はキレキレだ



「さぁ!!兄さん!!奴らに勝とう!!」
「その前に下駄をかせ」
「え?」
「だからお前は甘いというのだ…」


するり、とハチマキを解くと
勝利マンは歯で引き裂くと
下駄の花緒を直し始めた


「戦う時は万全の体制で望むんだ、
ましてやそんな大切な下駄なら
尚更だぞ…よしっ出来たぞ!」
「ありがとう兄さん!」
「ほら……………!!こ、これは!?」


努力マンに渡そうと下駄を持ち上げた
勝利マンは何かに気づき踊ろき…
努力マンの方を見た



「(努力、お前…!!)」

「さぁ!パワーマン鋼鉄マン!
2対2の勝負だ!!」
「ふふ、なにが2対2だ!そっちは1人も
同然だろう?そうだ、勝利マンは俺に
足をやられて動くことも出来ん!」
「そんなことは無い」


キッ、と努力マンはパワーマンと
鋼鉄マンを睨みつけた



「私が兄さんの足となる!!」
「!!」


すっ、と努力マンは勝利マンに向けて
背中におぶさりやすいようにかがんだ


「さぁ!兄さん!私の背に!」
「…あぁ」


自分が背負っていた小さかった背中は
今や自分を背負えるように育っていた
成長したその背中に…勝利マンは
目頭が暑くなった


「(…努力、お前の背中…いつの間にか
こんなに大きくなっていたんだな……)」
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