兄弟の絆、復活!の巻

話を聞き終えた努力マンは震える手で
栓抜きを取りだした
…そう、これを持たせたのは…
自分を守るため…!!



「勝利マンはお前が幼かったから
まさか決勝まで来るとは思ってなかった
から参加させたんだろうよ、でもお前は
強くなっていた…」
「あの時お前は既に3位以内に入り
ヒーローになる権利を得ていた!そして
ヒーローの権利を剥奪させるためには、もはやその手しかなかったのだ!!」
「〜〜〜…!!!」



努力マンはその事実のショックのあまり
膝をつき、手を付き崩れ落ちた…



「す…全て私の命を心配しての事だったと…!?」

「しかしお前はいつの間にかヒーローに
なってしまっていた!だから兄さんは
ここでお前が父さんの二の舞になる
のだけは避けたいのだ!!母さんの
為にも!!お前が可愛い自分のためにも!!」



…脳裏に浮かぶのは常に自分の前に立ち
守ってきてくれていた勝利マンの姿
…何故そこまでして守ってくれるのかを
幼い努力マンは考えたことがなかった

…兄はやはり強かった
そんな兄の思いも知らずに自分は
つまらないことにこだわっていたのだ…



「とどめだ!!勝利マン!!」
「っ!!兄さん!!」



パワーマンの声が響き…
その方を見れば、パワーマンが
鋼鉄マンを振り下ろしてとどめを刺そうと
しているのを努力マンは目にした



「死ねーーーーー!!!!!」



バキャーーーーーーーッ!!!



鉄がぶつかる大きな音が響き、
観客が目を瞑り……
ヒーローチームは目の前に広がる
光景に目を疑った



「な、何っ!?」



そこには…逆立ちをして勝利マンに
襲う鋼鉄マンの攻撃を鉄下駄で
受け止める努力マンの姿があった



「ば…馬鹿な俺のパワーを鉄下駄で…
なんでやつだ!」
「っ、余計なことをするな努力!!
お前の出番は無い俺が戦うんだ!!」



そう叫ぶ勝利マンの言葉
…真実を知った今では暖かなものに思える



「…もういいんだ兄さん」
「私はいつも兄さんの背中を見てきた…
しかし、今度は私が兄さんを守る番だ!」
「っ!!」



その言葉に…勝利マンは友情マンと
大ガマの方を見て、小さな舌打ちをした
…おしゃべりな奴らだ、と



「兄さん、私はもう兄さんに守って
貰わなくても大丈夫なくらいに
強くなったんだ…見ていてくれ」
「………」
「頼む私と変わってくれ……」

「…だ、ダメだそれはできん」



しかし勝利マンは首を振り拒否をした
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