兄弟の絆、復活!の巻

現在勝利マンは人差し指レッドと
中指ブルーである鋼鉄マンとパワーマン
を二人いっぺんに相手をしていた…
力に自信があるパワーマンがダイヤよりも
硬い体の鋼鉄マンを使いこなすという
なんとも強いタッグ……
そんな兄の背中を、努力マンは見ていた



「(勝利兄さん…)」



長兄である勝利マンは努力マンの目標だった

不良に絡まれたら真っ先に助けてくれた
工事の鉄骨が落ちてきた際には体を張って助けてくれた

そんな兄の背中をいつも見てきた
そんな兄が大好きで、目標で…
いつかは自分もあぁなりたいと思っていた
だが…………



「(なぜなんだ兄さん、兄さんならあんなことしなくても私に簡単に勝てたのに…!!)」
「行くぞ勝利マン、死ねーーーーっ!!!」



バキィ!!!



「ぐぁぁっ!!」
「ふふふこれでお前は動けまい」



両足をやられた勝利マンはその場に
尻もちを着いた…どうやら足を折られたらしい



「あいつら、動きを止めてから確実にとどめを刺す気だぜやられる!!」
「勝利マン!!もう無理だギブアップしろ!!」
「ま、まだだ…まだ戦う!!」



そんな兄の姿にたまらなくなった
努力マンは声を上げた



「兄さんもうやめろ!!あいつらとは
私が戦う!!もう動くこともできないじゃ
ないか!!殺されるだけだ!!」
「うるせーー!!いいか努力お前には絶対にまわさん!!」


意地でも回さぬ兄の様子に、努力マンは
怒りのままに言い返して叫んだ


「な、何を言っているんだ!!なにを
そんなにこだわっているんだ死にたいのか!?」
「やめろ努力無駄だ!!」
「そうだ努力、あいつは…勝利マンは
意地でもお前にはまわさねぇぜどんな事になっても」
「な…何故だそんなことをしてなんになる!!」


ちらり、と大ガマは友情マンに目をやり
友情マンも彼に目を合わせた……
目を合わせ合うと大ガマは黙って首をふる

………もう黙っているのはよせ

そう言いたいのだと察した友情マンは
話すことにした


「…仕方ない、ならば話してやろう…
お前の師であるラッキーマンにはもう話したんだが…」
「!!」



ヒーローの父と言われた勝利 友情 努力
その全てを揃えた三本柱マンという男がいる
…彼はこの三兄弟の父であった、だがそんな父も
凶悪な宇宙人に殺され帰らぬ人となった
そして父が亡くなり体の弱かった
母親は倒れて弱っていった…

そんな母が勝利マンに託した願いがあった
それは………努力マンをヒーローにしないでくれという願い



「この子だけは父さんのような目に合わせたくない…」



母の願いに勝利マンは目に涙をためて頷いた



「ああ分かってる!努力はヒーローにはしない!
その分俺が強くなってこいつを守る!!
こいつが戦わなくては行けない時は
俺が戦う!!」
「や…約束だよ、指切り……」



震える手を勝利マンに差し出して
指切りを交わすと………三兄弟の母は
命尽きて、帰らぬ人となったのだった…
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