到着、ヒーロー協会の巻

「でラッキーマンくん!!」
「なんだよ」
「実は私は謎の宇宙人よっちゃんに雇われた殺し屋に命を狙われている」
「だろうな」
「ああ〜っ!!そうなんだ命を狙われてるんだ〜!!」
「(んだこいつは)」



震えていたかと思えばいきなりブーツを脱ぎ…



「水虫かゆいの」

「帰る」
「「待て待て待てーー!!帰っちゃダメ!!」」


くるりと踵を返して会長室を出ようとする
大ガマの上着を引っ張って引きずられながらも
止める友情マンと勝利マン…
とにかく2人に止められた大ガマは
しかめっ面で会長の前に立つ


「ラッキーマンくん!!」
「んだよ!!!」
「どうかひとつキミの力とラッキーで私を守ってくれたまえ!!」
「最初からそう言えよ…わかったわかった」


手を握られてそう頼まれて大ガマは
溜息をつきつつも頷いた。


「わしも家に帰れば妻と二人の子がいる!
わしが死んだら妻と子はどうすればいいのだ!」
「はぁ?」
「15年も残ってる家のローンは?
趣味の盆栽の手入れは?」
「俺が知る訳ねぇだろ」

「そして何よりもこの宇宙の平和の為に!わしのヒーローパワーをヒーロー達に
与え続けるために死ぬ訳には行かんのだ!!」

「おーっようやくまともなセリフが!!」



真面目な場面が見れたかと思えば
またしゃがみ込んでブルブル震える。



「死ぬわけ行かないって言ってるのに
なんで命狙うのー!?」
「…………はぁ………」



自分がかつて仕えていたエンマ大王は
こんなんじゃなかったんだが、と
昔を少し思い出して大ガマはため息をついて頭を抱えた
大丈夫かこのトップ………と


「会長ご安心下さい、我々3人が
必ずや会長を守り敵を倒します」
「うん…」
「会長、この部屋に入れるのは私たちの入ってきたここだけですか?」
「う〜んとね…」


会長は窓の方へ移動すると窓を指さした



「あとここに窓があるけど…」
「窓か…窓は危険ですよ、ライフルで狙われたら」
「…殺し屋はもうどこかでわしの命を狙っているのだろうか」



窓からヒーロー星を見下ろして…
しみじみとその宇宙の景色を見ながら
会長は語り出す…



「しかしわしは死ぬ訳には行かんのだ…
美しい宇宙を…この宇宙に住む数多くの
命を守る為に…」
「会長…」
「(…なんだ、トップらしい所見せてくれんじゃねぇの)」


ようやくトップらしい所を見れた、と
大ガマはうんうんと頷いてその様子を
眺めて微笑んだ…この親父がトップで
大丈夫かと思っていたが…大丈夫そうだ

…しかしその様子をライフルで狙う
殺し屋の影が…!



「待ってたぜこの時を!!俺は1度だって狙った的を外したことはねぇ!!死んで
貰うぜ会長!!」


ライフルの引き金に指をかけた…!


「おい、会長こっからだとライフルで
狙われんじゃねぇのか」
「え!?そうなの!?でもここいちばん高い…」
「だからといって油断は禁物なんじゃねぇの……こんなふうにバリアがあれば大丈夫かもなぁ」


そう言って大ガマが会長の前へ出て
拳を手のひらにたたきつけ、超ガードを
発動させてバリア型の結界を出した、
すると!!


パン!!カキィン!!



「!!」
「ひぇ!?」



大ガマの貼った超ガードに銃弾が跳ね飛ばされて
壁に銃弾がめり込んだのだ…!!
大ガマが超ガードを貼らなければ今頃!!



「あ、ありがとうー!!ラッキーマン!!キミがバリアを貼ってくれて助かった!!
さすがわしの見込んだ男ー!!」
「ラッキーだろラッキー」
「そのラッキーが最高なのよ!!」


銃弾を受け止められてギリ、と殺し屋は
歯噛みをして悔しがった


「く、くそ!!なんだアイツ!?よぉしこいつから…ん?あら?」


次にライフルに映ったのは…会長ではなく
勝利マンと友情マンであった


「コラー!!殺し屋!!俺と勝負だ
そして俺が勝つ!!」
「よーしわかった友達になろー!!」

「なんなんだなんなんだー!!皆殺しだ!!」


衝動でライフルを連射させる
その銃弾はまっすぐ向かい…


「おいさっきの見てなかったのかよあぶねぇっつの!!」
「うわ!」
「うぉっ、」


髪舌を友情マンと勝利マンの体に
巻き付けて自分の方へと引き寄せる…
すると、


ズギュンズギュン!!


「「あっ!!」」

「ら、ラッキーマンありがとう!」
「礼には及ばねぇよ」


先程まで2人がいたところに銃弾がめり込んだ
そしてまた交わされた殺し屋の手は震えた




「こ、このヒットマンのライフルの腕はこんなにバカにされたのは初めてだ、ゆ、許さん必ずや全員殺す!!」
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