三兄弟の過去と大ガマの後悔の巻

飛田くんに乗り込んで飛び立てば
直ぐに地球が遠くなり太陽系の星が
周りに見えた…本当に早い、と
思っていれば勝利マンに手を握られた


「ラッキーマン、我々3人で力を合わせて会長を守りよっちゃんを倒そう!!」
「おう………所でよぉ、お前ら兄弟の仲に何があった」
「「!」」


大ガマにそれを聞かれて体を強ばらせる
勝利マンと友情マンだが大ガマは言葉を続ける



「…あんたらも兄貴なら知ってると思うけどよ、努力は本当に優しくて純粋…
いくら苦手な相手でもつい手を貸して
世話を焼いちまうくらいの奴…俺は
そんな奴のあんな目を初めて見た」
「「………」」
「話したくねぇならそれでいい……兄弟間に深入りはしねぇ」
「…………全てを話しましょう」



あぁ、このラッキーマンという男はよく
弟を知ってくれている、と勝利マンも
友情マンも嬉しく思うと共に…
話す決意をしてその過去を話し出した


ヒーローをしていた父、三本柱マンが
殉職して後を追うように母も体が
弱っていき死んだ事

その母の遺言は「努力をヒーローにしないで欲しい」だった事

だからヒーローにさせまいと、
無理なトレーニングを言い渡したりして
手を回したが駄目で…
反則負けにさせて
恨まれ役になるという選択肢を取ったこと



「……………」
「……軽蔑しましたか」
「…いんや」


話を聞き終えた大ガマはその言葉に
首を振り…閉じていた目を開いて
背をむくとポツリ、と話し出す


「今のあんたらさ、昔の俺と”アイツ”に似てると思ってさ」
「「”アイツ?”」」
「………そうだな……あんたらが話してくれたから…今度は俺が話そうか」



草履の音を立てて窓の方へと歩いて
昔に思いを寄せる



「…信じられねぇ話なら信じなくていいさ、でもこれは正真正銘俺の過去」
「……聞かせてくれよ」
「わかった……」



大ガマは上を向きふぅ、と息をついた



「…………俺には生まれ変わる前の前世の記憶がある」
「「!?」」
「勝利マンと戦った時の大滝の術や
大ガマ変化の術を見たろ?
…あれは前世からのもんだ」
「(そうだったのか…)」


勝利マンは自分が受けた技を思い出し
大ガマの背をじっ、と見つめる
本音プレートには何も書かれていない


「………もう何年くらい遡ればいいかな」
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