おかえりなさいの巻

その頃…光に包まれ消えた大ガマと
土蜘蛛は丸い光の中に収まり
ふわふわ、ふわふわと
妖魔界へと吸い込まれるように
妖魔界へと向かっていた
あたりは真っ白で…恐らく世界の境目に
いるのだろうと大ガマは確信した




「(…なぁ土蜘蛛)」
「(なんだ)」




そんな中、大ガマが土蜘蛛に
尋ねた…光の中に収まっていた
土蜘蛛は目を開けて大ガマを見やる




「(アイツらと俺ら、また会えるかな)」
「(お主がまた会えると手紙に
書いたのであろう)」




何を言う、と鼻を鳴らして
そう答えると大ガマは苦笑して答えた




「(でもさ、もしも…長く時間が
かかったら……)」
「(我輩とお主、そしてあやつらには
長く時間がある…焦ることもあるまいよ)」
「(…そう、だな)」




ふふふ、と土蜘蛛は笑うと
大ガマの方を見て続ける
こいつでもこんな弱音吐くんだな…と




「(自分で言っておきながら
何を弱音を吐いておるか)」
「(う、うるせーなー)」




そう話していると下の方が
やけに明るくなってきた…
下の方を見ると、下の方には
明るい街が見えた
ゆっくり近づくにつれ、その町が
どこか2人にはわかった
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