さよならスーパーヒーローの巻

努力マンやみっちゃんが伸ばした手は
空振りして宙を切り…
粒子は空気に溶け込むようにして消えた




「師匠…?救世主マン…?
師匠!!救世主マン!!」
「らっきー…さま…」
「ラッキーマン…救世主マン…!!」




そして、努力マンは…
膝をついて彼らの名を叫んだ…





「師匠ーーーーー!!!!救世主マーーーーン!!!!」

「ラッキー様ぁぁーーーー!!!」





叫んでも声はかえってこず…
努力マンも、みっちゃんも崩れ落ちて
泣き出して…それにつられて他の
ヒーローも…しゃくりあげて泣いた

いきなりの彼らとの別れに…





「っいきなり、すぎんだよ…!!
せめて、さよならくらい…!!
聞いてけ…馬鹿野郎!!」

「私、はっ……ラッキーマン、
貴方に人生も、命も救われて…
まだ、お礼も…恩返しも、何も!
…出来て…ない…!」

「っぐ…うぅ、我が友…
ラッキーマン、救世主マン…!!」




そんな中…二人が帰る
事を知っていたヒーロー神と
初代ラッキーマンは…静かに目を閉じた




「………帰ってしまった…」
「………帰っちゃった…ね…」

「…ヒーロー神、様…初代…ラッキーマン…」




そんな2人に努力マンは勘づいた

土蜘蛛と大ガマが帰ることを
この二人は知っていたと…





「しって、たんですね…
師匠と…救世主マンが元の世界へ
帰ることを…」




その言葉に…2人は黙って頷いた
努力マンは2人に詰め寄った




「っ知ってたんなら!!どうして!!」
「…2人が、伝えるなと…」
「…!?」



そう、ヒーロー神が2人が帰ることを
見抜いたあの日…土蜘蛛と大ガマは
こう伝えていた




「なぁ爺さん、俺たちがトーナメント
終わったら帰ること…言わないでくれ」

「今、皆は大宇宙を守ろうと
結束して心をひとつにして
おるのに…我輩と大ガマの発言で
混乱させる訳には行かぬ」





そんな2人の思い…2人の言葉に
なぜ、どうしてという思いと
悲しい思いがグルグルと渦巻いた。





「っ…そ、そんな…大事な…事…!!」





あぁ、そうか


最後まで…この宇宙の平和を願って
2人は戦っていたんだ…と
改めて知った




「…貴方、達、は……
この宇宙一の…ヒーロー、でした…!!」




そう努力マンが泣き崩れる中…
ヒーロー神がケンちゃんに促した




「…ほら、ケンちゃん…例の物を」
「っぽ」



す、と両足に括り付けられた
手紙に…努力マンは顔を上げた




「ラッキーマンと救世主マンが
最後に残した手紙っぽ……」
「「!!」」
「…全て伝える前に帰るだろうからと
二人が託していたものだ」




二人が最後に残した手紙
その手紙を…ヒーロー神が読むこととなった…
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