さよならスーパーヒーローの巻

「ど、どうして…師匠、救世主マン、
わかりません、いきなりなんで…」




涙をこらえて大ガマが説明する
既に太ももまで消えかけており…
伝えられる言葉はわずかだ




「…ギリギリになってこんな事、ゴメンな
今まで…ホントにありがとうな皆」
「我輩と大ガマはここで消えて
故郷へ帰るが…」
「「皆のことは忘れない」」




消えかけながらそう伝える土蜘蛛と大ガマに
信じない、と言ったように震える声で叫んだ者がいた。





「は………っふ、ふざけんな!!!!
いきなり帰る!!消える!!だぁ!?
俺との決着つけないまんま
消えるつもりか!?許さねぇ!!」

「そ、そうだよ!!ラッキーマン、
救世主マン!!…大宇宙が平和になって…
これからだって言うのに…!」

「そんな大事な事!!どうして
言ってくれなかったんだ!!」




叫んだのは勝利マン、友情マン、世直しマンだった
大ガマは俯くと…彼らに答えた





「…ごめんな、でも…言えなかった、
言うような状況じゃあなかった…
大宇宙をかける戦いの中…言えなかった」
「…平和をかけた戦いの中
混乱を招く訳には行かんかった」
「…し、しょう…きゅ…せい…」




よろけながらも2人の元へと
歩み寄ったのは…努力マンだ
この2人と1番関わりが
深かったのは…彼だ
だからこそ、今の状況が
耐えられなかった




「…そんな大事な事…どうして…
師匠、私は…私はまだ、未熟です
あなたに教えてもらいたいことも…まだ…」




ボロボロ、と涙が込み上げ溢れ出す





「あなた達とまだ、思い出を作りたかった
私は…私は、救世主マンと…師匠が
いたから、強くなれた…2人がいなかったら、いなくなったら…」

「努力」




それ以上は言うな、というように
大ガマが努力マンの声を遮って
首を振って…笑いかけた




「未熟?バカ言うなよ…お前はもう
俺の手から離れてたよ、そう
この大宇宙トーナメントの先頭に
立っていたその時からお前はもう
一人前のヒーローとして成長出来ていたんだ
俺と土蜘蛛が居なくたって大丈夫だ」



「〜っ…!!」




努力マンはその言葉に涙のダムが
決壊して…滝のように涙を流し
声をこらえて泣き出した
そんな努力マンの姿に
他のヒーローたちも涙を流す…
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