さよならスーパーヒーローの巻

「…」
「…」



大宇宙神の事で話し合うヒーロー達を…
仲間達をチラリ、と見ると静かに
彼らと距離を置いて歩き…離れた場所で
止まって…背を向けた
そんな土蜘蛛と大ガマの様子に
気がついたのは、二人が妖魔界へ
帰還するということを知っている
ヒーロー神だけだった…





「あーあ……終わっ、ちまっ……た」
「……終わってしまったな」





まるで楽しい物語が終わってしまった
かのように…寂しそうな、辛そうな
顔をして俯いた


終わってしまった


大宇宙統一トーナメントも…
この世界に居られる時間も…
ヒーローとしての自分も…
仲間たちといられる時間も…


全部、全部終わってしまい
元の世界…妖魔界へと帰る
カウントダウンの時計の秒針の音が
2人の耳へと大きく聞こえてきた






「……俺さ、ヒーローとして戦えて
この世界で生きていけて楽しかった」
「我輩もだ…この世界で我輩とお前は
大きく成長出来たであろう」





その時はゆっくり、ゆっくりと近づく
待ってはくれない……時間は待ってはくれない




「俺たちさ、あいつらに誇れるような
ヒーローになれたかな」
「くく、それは帰ってから聞くか」





思い出話なんかをしながら
大宇宙のこれからを話す
仲間たちの声を背に
そしてその時は訪れ…








時計の秒針の音が
カウントダウンが…止まった
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