勝利、友情、努力三兄弟の巻

その訪問者はある日、突然やってきた

いつものように大ガマが努力を
学校帰りに家に招いて部屋に案内し…
しばらく雑談していると母が入ってきた


「クッキー焼いたんだけどお口にあいますかしら?」
「えっ?手作りっすか参ったなー!」
「お前何照れてんだ」



クッキーを口に運びながらも
努力はぽつり…と呟いた



「師匠はいいですね、温かな家族がいて…」
「ん?あ、そうかお前は一人でガンバル星から来たんだっけか…」
「ええ」
「……お前、ガンバル星に家族は?」
「え、?」


そう問われて努力は体を強ばらせた



「えっ、て……努力?」

「か…家族の…ことは…聞かないでくださーーーーい!!!」

「あっ、おい努力!?」



努力はいきなり叫ぶと鉄下駄も履かないまま
飛び出してどこかへと走り去り大ガマは
その顔を追って外へ出るが、追いつけずに
伸ばした手は空振りした



「聞いちゃいけない話題だったか!?やらかしちまっ……うぉっ!?」



努力を追いかけて外へ出た大ガマは
その時、後ろから気配を察知して
振り向くとキックが飛んで来るのを
見て咄嗟に手を交差しバツの形に
してそのキックの足を受け止めた



「ほぉー俺のキックを受け止めやがった」
「あっぶ、ね………テメェ!!何もんだ!!!」


「負けてたまるかーーーっ!!!
勝ちゃあそれでいいヒーロー勝利マンだーーー!!!!
ラッキーマンと勝負しに来たーー!!」



悪役宇宙人かと警戒すればどうやら
同業者…ヒーローらしい、しかも正体を
知っていると来た、勝利マンは
大ガマの胸ぐらを引っ掴んだ



「ラッキーマン!!お前も負けたことないんだってな!!」
「おわっ!まぁ負けたことねぇよ、つかやってくる宇宙人が全く手応えねぇんだよ」
「よーっし!!ラッキーマンを人間の時に倒せばいいんだろ!!」
「はぁ!?っと!!」


顔面に飛んでくるパンチを避けて
なんだコイツは、と睨みつけたその時
勝利マンの肩に手が置かれた


「まぁまぁ兄さん」
「兄さん…?お前は?」


「昨日の友は今日の友、僕もヒーローやってる友情マンだよ」
「(なんか増えやがった)」
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