元祖の絆の巻

「でもなぜ防御力をあげる真似を…?
あのバズーカで攻撃すればいいのに」
「そんな事、簡単だぜ…
努力の為さ」
「私の…?」




土蜘蛛は努力マンの元へと
振り向くと高らかに叫ぶ




「努力マンよ!!一度でも多く
こやつの蹴りを見ておれ!!!」
「そ…そうか、そういう戦い方を
しなければトーナメントに勝ち残れない」
「そう、そういう事さ」
「救世手マン……っ!」




そんな土蜘蛛の思いを知った
努力マンは涙がまた込み上げた
猛トレーニングマンはくだらない、と
言うように鼻で笑った




「おもしれぇ、あいつの為に蹴られるって
訳か!!そのバリア割ってお前をぶっ殺す!」




バババババ!!!と土蜘蛛に向けて
蹴りを繰り出すが土蜘蛛の周りに
貼られたバリアはビクともしない!
ビクともしないバリアにまた怒りを
覚えてまた蹴りを繰り出すが
バリアは壊れない





「っコノヤロォォォォォ!!!!」




何度も、何度も蹴りを繰り出す
だがバリアは壊れない
そんなバリアの中から土蜘蛛は
笑って答えた




「壊れぬよ………元祖軍の皆の想いが
詰まったこのバリアは!!そう容易く
壊れるものでは無い!!うつけ者め!」




このバリアは元祖軍の皆の想いが詰まったもの…
そのバリア、簡単に壊れない!





「救世手マン…!!」
「努力!!涙を止めて見ろ!!!
これで駄目でしたなんて俺は
許さねぇぞ!!」
「!師匠、」




涙が止まらない様子の努力マンに
大ガマが怒鳴った
目の前で蹴りに耐える土蜘蛛
その土蜘蛛の覚悟を…無駄にさせまいと




「根性で止めやがれ!!そして
冷静になれ!!」
「……」




努力マンは大ガマの言葉に涙を止め…
ひたすら、猛トレーニングマンの
蹴りに耐える土蜘蛛を見続ける
そしてその蹴りが10何回に達した時!!




「救世手マン!!」

「!」




努力マンは土蜘蛛に叫んだ





「交代してください、次は僕が
彼と戦います」
「………あやつに勝てる策が浮かんだのか」
「はい、この目に焼き付けました」
「……あい承知した」




ふっ、と土蜘蛛は微笑むと
救世手を使いヒーロー達の
元へと戻ってくるとバズーカから
メダルを引き抜いてそのメダルを見つめた




「……皆……」




そしてそのメダル達をぎゅう、と握りしめて
心の中で礼を告げた





「(皆のお陰だ、ありがとう)」




そんな土蜘蛛の肩を大ガマが叩き
土蜘蛛は彼の方へ向いた
大ガマは土蜘蛛に優しく微笑んでいた





「…見せてもらったぜ、お前ら元祖軍の
絆」
「お主ら本家軍の絆もな」




そして努力マンは猛トレーニングマンの
元へと歩み寄っていった…





「次は僕が貴方と戦います」
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