ちょっとモヤモヤの巻

そして放課後、勝利と友情は
早速行動に出た
目の前にはまぁいつもの通りに
共に歩く土蜘蛛と大ガマの2人




「大ガマ、寺子屋も終わった
事だし帰るか」
「おう、そうだな」

「あ!救世主ー!洋一!ちょっと!」

「「?」」




2人が帰ろうとしたその時、友情が
2人に話しかけた。
友情の後ろには勝利と‥‥そして
友情が連れてきた努力もいた。





「ん?友情、努力、勝利どした?」
「おぉ、我輩とこ奴に何か用か?」
「いやー‥兄さんと私、救世主に
ちょっと用があって」
「?我輩か?」




なぜ自分に?と土蜘蛛は首を傾げるが
用があるのならばと頷いた




「それなら行ってこいよ土蜘蛛!
じゃあ俺は‥‥‥」
「だから洋一は努力と一緒に帰ってくれな」
「ん?いいけど」
「!」




そう大ガマに告げた勝利に努力は
ぱっ、と勝利の方を見上げた
勝利はこくり、と頷くと
土蜘蛛と友情を連れて先に行く‥




「さ、行こーか」
「承知」

「(兄さん‥)」




自分の思いを見透かしていたのか、と
恥ずかしいやら申し訳ないやら
嬉しいやらで努力は俯くと
大ガマの方を見上げた





「んじゃ帰ろーぜ」
「!はい!」




そして久々に大ガマと共に帰路に着く
久々で嬉しい気持ちもあるのだが‥





「(師匠は私よりも救世主と
一緒にいたかったのでは‥)」




前世からのソウルメイト
前世から繋がる好騎手
自分よりもいた時間が長くて‥
そう考えているせいで大ガマとの間に
静寂が流れる‥
そんな静寂を破ったのは大ガマだった




「お前と帰んの久々だな」
「!はい、そうですね‥」
「最近土蜘蛛に構いっきりだったからなぁ




ごめんな、と謝る大ガマに
努力はとんでもないと首を振る




「い、いえ!!ずっと会いたかった
相手に会えたんだから当然です!!」
「‥久々にさ、手合わせでもして帰るか?」
「!!いいんですか?」
「おう」




大ガマの申し出に、努力は嬉しそうに頷いた
そんな様子を陰から見ていた友情と勝利と
土蜘蛛は小声で会話を交わす





「どうやら我輩は大ガマを独占してしまって
いたようであるな、悪い事をした」
「んな事はないと思うぜ、単に
うちの弟が考えすぎだっただけだから
お節介焼いただけだ」
「そうそう、それに君とももっと
仲良くなりたかったし!」



そう言って笑う勝利と友情に
土蜘蛛はふっ、と笑った
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