土蜘蛛と大ガマの学校生活の巻

土蜘蛛が転校してきて数日…
授業が終わった放課後、大ガマは
隣の席にいる土蜘蛛のの方を見た




「土蜘蛛、土蜘蛛!放課後寄り道
してこうぜ!」
「む?我輩は構わぬがお主は平気なのか?」
「いい、いい!!せっかく来たんだから
案内してやるって!」
「…ならばその言葉に甘えるぞ」
「おうっ!じゃぁ行くか!」
「ぬぉっ!?ひ、引っ張るな!」




嬉しそうに土蜘蛛の手を取って走っていく
大ガマに勝利や天才は目を細めて微笑んだ




「嬉しそうだな、洋一」
「ふっ、一番のライバルが戻ってきたんだからな」
「しばらくは彼に譲ってやるか」




大ガマが土蜘蛛の手を引いて
向かっていったのは…商店街だ
そして大ガマが足を止めたのは
肉屋の前




「おっちゃん、コロッケ2つ!」
「あいよ、洋一くんお友達と一緒かい?」
「うん!」




肉屋のおじさんからコロッケを受け取ると
大ガマは土蜘蛛に一つ渡した




「ほら」
「む、すまんな」




ホカホカの湯気がたつコロッケを
受け取ると土蜘蛛は1口コロッケを齧る
齧るとソースの旨みとジャガイモと
ひき肉の旨みが口に広がる



「…うまい」
「だろ?へへ、」



少しはなれたベンチに座って
コロッケを食べる
少し静寂が訪れ‥‥大ガマは
商店街を見渡して、隣の土蜘蛛を
見て微笑んだ




「(あー…思い出すな)」



元の世界での思い出が蘇る
桜町の…桜ニュータウンの
おつかい横丁で食べたコロッケの味




「……懐かしいな」
「ん?なにが」
「思い出さねぇか?おつかい横丁でさー
ケータと、ケイゾウとこうやって
コロッケ食べたの」
「……そう言えば」




そう言われて土蜘蛛は思い出した
元の世界での思い出
大ガマはそのまま続ける




「あんたとこうしてると思い出した
‥なんか嬉しいな、元の世界に
戻ったみたいだ」
「‥くくっ」




くすくす、と笑いあってコロッケを平らげた
そして大ガマはまた土蜘蛛にとある
提案をした




「なぁ土蜘蛛、俺ん家で飯食ってけよ」
「それはありがたいが、お主の両親は
良いのか?」
「いい、いい!もう慣れてるよ!!来いよ!」




な?と首を傾げて手を握られれば
土蜘蛛は頷かざるをえなかった
照れつつも‥頷いた




「‥ならば甘えても良いか?」
「いいよ、来い!‥今まであんたが
苦労してきた分‥いっぱい思い出作ろう」
「‥‥‥うむ」




土蜘蛛は今まで1人で耐えて苦労して
辛い思いをしていた‥だからこそ

その分たっぷり思い出を作ろうじゃないか

そう思い、大ガマは土蜘蛛の手を握り
土蜘蛛も大ガマの手を握った
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