寂しがり屋の黄桜の巻

さっちゃんは確かに倒した
だが‥

大ガマや勝利マンは後ろを振り向いた
静かになってしまった
戦ってきた仲間たちが消されてしまったから‥



「…俺は、今まで自分さえ勝てば、それでいいと思ってきた。」
「兄さん…」
「だが、この戦い犠牲が…多すぎた…」

「‥」



大ガマはぎゅう、と目を瞑り
消えてしまった土蜘蛛を思った

その時!!








「その必要はない!!」




「っ!!!」




涼やかな高い男の声が聞こえてきた
その声が誰のものかわかって‥
大ガマは後ろを振り向いた
するとブラックホールが現れ




「‥‥」

「「き、救世主マン!!」」




そのブラックホールから
さっちゃんに消されたはずの
土蜘蛛が現れたのだ!!





「‥‥っぁ‥‥‥!!!」





生きていた

守れなかった、と思っていたのに
生きていた‥!!

大ガマの瞳にみるみる涙が溜まる





「な、なぜ!?さっちゃんの救世手に吸い込まれたはずなのに!」
「吸い込まれたのでは無い
我輩は吸われるふりをし
自ら姿を消したのだ」




そう、土蜘蛛は吸われる前に自身の
救世手で姿を消していたのだった





「そうだったのか‥」




土蜘蛛がそう説明し終えたその時!





バキィッ!!!!






「っぐ!?」
「「!?」」





大ガマが土蜘蛛を殴り飛ばした
横っ面を殴られた土蜘蛛は飛ばされ
砂浜に体をうちつけた
そしてすかさず大ガマが土蜘蛛の
体の上に馬乗りになり胸ぐらを掴む






「っこの野郎!!お前‥っお前!!
よくも俺の事騙してくれたな!?」
「大ガマ、」
「死んだフリなんてしやがって‥
ふざけんなよ、俺が、俺がどんだけ‥!!」




そう土蜘蛛にまくし立てるが
その間にも大ガマの目からボロボロと
涙がこぼれて土蜘蛛の頬を濡らす





「また‥‥また、守れなかったって‥
俺は‥‥元祖の奴らにどう言ったらって‥
あんたが目の前で、死んで、俺もう
どうしたら‥‥って‥俺のせいでって、
ってめ、っぐ‥‥ぅ‥う、」

「‥‥‥‥‥‥大ガマ‥‥‥‥‥」




ひっく、ひっく、としゃくりあげて
泣き出した大ガマを土蜘蛛は
優しく抱き寄せてその頭を撫でた
まるで泣く幼子をあやす様に‥




「‥‥‥‥‥すまぬ、すまない‥‥‥
またお主に涙を流させてしまった」
「っう”ぅ‥うわぁぁぁぁぁ‥‥!!」




優しく謝り、自分を撫でる土蜘蛛に
大ガマの涙腺は崩壊し、土蜘蛛に
縋り付いて泣き出した
そんな大ガマを土蜘蛛は抱きとめて
大ガマが泣き止むまで撫で続けていた‥
1/8ページ
スキ