土蜘蛛の真実の巻

土蜘蛛が大ガマに宛てた手紙には
土蜘蛛が大ガマに告げたかった
真実が事細かに書かれていた



〔大ガマへ

我輩は、ここで一か八かの戦いへ出ようと思う
我輩があやつに叶うとは思っておらん
だが、この今世での救世主の名に恥じぬ
戦いを挑んで行く予定だ
この手紙を読んでおると言う事は
恐らく我輩はお主の前から消えておるだろう
だからその前に2つ謝らせてくれ

1つは、お主の事を酷く突き放した事

2つは、本当は前世での事を全て覚えて
おったと言うのに何も覚えておらぬと
嘘を付いてお主を深く傷つけた事だ

我輩は、本当は生まれ落ちたその時から
妖魔界の事も全部覚えていた
お主が表宇宙に産まれていることを
知った時、嬉しくて…会いたかった
だが、我輩とお主の事がさっちゃんに
知られてはお主に危機が及ぶと
我輩は何も覚えておらぬ振りをした

そのせいでお主を深く傷つけた
すまない、許してくれ大ガマよ

だが、我輩も本当はすぐにでも
お主に会いに行きたかった
会いに行って、お主に謝って
また花見酒でもしたかったと

この様な形で告げる事となってすまない
裏宇宙へ来てくれて、我輩をまた
土蜘蛛と呼んでくれてありがとう
我輩の事を覚えていてくれてありがとう

どうか、どうか生きてくれ大ガマ




元祖軍総大将 土蜘蛛〕





そこには、土蜘蛛が大ガマに宛てた
本当の事実が綴られていた
本当は大ガマの事を覚えていた事
本当は自分も謝りたかった事
大ガマと同じ事を思っていた事…
手紙に書かれていた名前が
”大ガマ” ”土蜘蛛” である事が
何よりの証拠で…




「………つち………ぐも…………」




全て読み終えた大ガマは
瞳からボロボロと涙を流して
しゃくりあげて泣き出した
土蜘蛛が書いた手紙に、大ガマの
涙が落ちてシミを作っていく…





「なんだよ……これ…なんだよ……お前…!
覚えてたんじゃねぇかよぉぉ…!!!」




本当は土蜘蛛は覚えてたんだ
だけど、自分を守る為に
土蜘蛛は…




「ぁ……あぁぁぁ…!!!



あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」




大ガマはそのまま、大きな声で泣き叫んだ
そんな中…悪魔の声がねじ込まれた







「馬鹿な奴だ、救世主め」
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