世界を超えた我らの絆の巻

その光景を大ガマは前世で見たことがあった
血の海に沈む仲間達
そして自分はその中で立ち尽くしていて‥




「(同じだ、あの時と同じだ‥)」




謎の異星人‥Y星人が妖魔界を襲い
妖魔界が滅亡した時と同じだ、と
大ガマは絶望して目に涙を貯めた




「‥!!て、天才!!」




ふと、隣を見て‥自分だけでは無い
ことに気がついた‥
天才マンだけは、突撃していなかったのだ




「‥そうか、や‥やっと皆のおかげで‥分かった、勝ち方が!!」
「何っ!?そ、その方法は‥‥!!」




天才マンが勝つ方法を見つけて、
大ガマが希望を見いだし彼に
そう問いかけたその時、天才マンが
目の前から消えた‥
越谷太郎に、蹴り飛ばされて
殴られて、天才マンは意識を飛ばして‥




「て、んさい‥おい、嘘だろ、
おれ、俺はまた‥一人‥!!」




本当に、また1人になってしまい
大ガマの脳裏に妖魔界滅亡の際の
悪夢がフラッシュバックして
大ガマの呼吸は早くなり、過呼吸
寸前になる‥




「はっ、はっ、はっ‥!!」




妖魔界滅亡以来の‥絶望、そして死の予感
もはや今の大ガマに‥戦う力は
残っていないことをさっちゃんは
察して高笑いした




「ぶわっはっはっは!!
終わった様だな!!ラッキーマン
はもう戦う気力はない!!
他のヒーローは皆死んだ!!
ぶわっはっはっは!!」
「‥‥」




さっちゃんがご機嫌そうに高笑いを
する中、土蜘蛛はモニターからその
様子を見て唇を噛んだ‥
大ガマは俯いたまま青い顔で
震えながら‥拳を握り心の中で
謝罪し、死を覚悟した




「(ごめん、ごめん本家の皆
ごめん、ヒーロー協会の皆‥

俺は‥俺はまた誰も守れずに‥)」





また誰も守れずに死んでいくのだ、と
諦めて目を瞑ったその時
















「しっかりしなよ、大ガマ」





どこからとも無く声が響き渡った
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