さっちゃんと土蜘蛛の過去の巻

「おい、なんでそこで土‥‥
救世主マンの話になるんだ
‥まさかあんたらと関係あるのか」
「ある‥‥今思えば、彼が息子より
早く生まれていれば‥違った結末に
なっていたかもしれない‥
同じサミット一族の彼が‥」


「サミッ‥!?」




サミット一族


その言葉が15世から零れた時
大ガマは目を大きく見開き
驚愕の事実に固まった‥が、
大ガマは胸ぐらを掴んで15世に問う




「って事は何か!?アイツはお前の‥」
「違う、救世主マンは私の兄‥
453男の兄の息子だ」
「おめぇの兄の子‥‥?」




土蜘蛛のその今世での正体を知った
大ガマは15世を落とした。
(いでっ!と下から聞こえたがお構い無しだ)





「という事は救世主マンはさっちゃんと‥」
「従兄弟って事?」
「その通り」



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
15世が土蜘蛛の存在を知ったのは
500数年前‥‥突然、隠れ住んでいた
自分の元に453男の兄が訪れてきたのだ
15世をきつく睨み、兄は口を開く




「お前のみ逃れていい身分だな15世」
「‥兄さん、何故ここに」




兄弟の再開だと言うのに
再開して間髪入れずかけられたのは
棘の刺さるような言葉だった




「お前があんな育て方をしたせいで
我々は苦しめられているのだ‥‥
なぁ15世、お前の責任でもあるのだぞ」
「わざわざ説教をしに来たのか兄さん」
「いいや違う、お前に真の王を見せに来たのだ」
「‥何?」



その言葉に兄に背を向けていた
15世は振り向き、改めて兄を見ると
453男の兄はおくるみに包まれた
赤子を抱えていた
赤子は兄の方を向いており
顔が見えなかった
兄は‥そんな言葉をかけていながらも
優しげで、希望のありそうな笑顔を浮かべていた




「安心しろ、お前という失敗例が
あるから私は育て方を間違えたりなんてしない
そして!!」





そして兄は15世に向けて赤子を
向けて高く抱えあげた!!





「この子こそが真の王!!
そして真の救世主だ!!」


「なっ‥!?そ、その子は‥!!」




高々とあげられた赤子を見て
15世は驚愕して目の前の光景を
夢では無いのかと疑った
その子の左腕に輝いていたのは‥







紛れもない、光り輝く救世手


そしてこの赤子こそが土蜘蛛であった
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