さっちゃんと土蜘蛛の過去の巻

いそいそとマントを直しながら
15世は語る‥



「ふふこれだけは誰にも見せたくなかったのに…仕方ないそこまで言うならば話そう!その通り私はお前らが倒そうとしているさっちゃんの父親だ!!」
「「何ーーっ!?」」
「何も聞いてないのに勝手に喋んな!!!!」




せめてこっちが聞いてから話せや!!と
突っ込む大ガマを抑える天才マン
‥その話を聞き勝利マンは
静かに15世に寄っていく



「俺達の親父はてめーの息子に殺された。お前も俺達に殺されても文句ねーな」



「…殺したければ殺せ。どうせ私はもう長くない。しかし、その前に私の話しを聞いても損はあるまい。」
「「!」」
「何?やはり聞きたいか、そんなに聞きたくば話そう…そりゃ聞いといた方がいいよな、私の息子バックコスモス・サミット16世を倒すためにも…」



ふむ、と大ガマは指に顎を置いて考える



「16世‥と、言うことはさっちゃんの
本名はバックコスモス・サミット16世か」





15世と来たら16世、という事は
さっちゃんの本名は
バックコスモス・サミット
16世かと大ガマは納得した





「なんてしつこい奴らだ!わかったわかった仕方がない話してやるよ、息子がああなったわけを!」
「しつこいのはおめーだぁ!!
俺らが聞くまで待てねーのかよ!!
あーーーーイライラする!!」
「いいから黙って話させてください!」




大ガマがそうイライラしながら
飛びかかろうとするのを
天才マンが羽交い締めにして押さえていた
‥そして15世はぽつり、ぽつりと語る


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


この裏宇宙は、救世手を持つサミット一族が代々王の座につき統制をしてきた
侵入者や全ての悪を救世手を使って消し、平和を保っていた…
15世も何千年もこの裏宇宙の王として
平和を守ってきた


15世は454男出ようやく生まれた
救世手を持った子供‥
彼の両親は肉体的にも経済的にも
大変だったと聞く
そして救世手を持つ子供は成人したら
王座を任される、これが長く続いたルール‥
そして2000年前、妻との間に
産まれたのがさっちゃんだった




「よくやった!!ちゃんと救世手もついている‥‥ん!?こ、この子は!!」




長男で救世手を持った子供が生まれる事
自体が奇跡だった、だが‥
さっちゃんはさらにその奇跡を上乗せしてきたのだ




「この子は‥右手は‥素晴らしい!
サミット一族がさらに進化した子だ!!」




救世手に匹敵するほどの素晴らしい
右手を持っていたという
だからこの奇跡の子ならば‥
裏宇宙の歴史の中で1番の平和を
もたらしてくれると、15世は
過去に両親が経済的にも大変だったと
聞いていたから‥
自分が大変な思いをした経験から‥

さっちゃんのお願いやワガママは
なんでも聞いて、不自由なく育てた




「お世話係バナナちょーだい!」
「美人なお世話係増やして!」



あれちょーだいこれちょーだい
なんで答えたせいで‥




「皆にチヤホヤされたのが行けなかったのかもしれん‥」




さっちゃんは自分の言うことは
なんでも叶うと信じるワガママになった…
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