季節外れのクリスマスの巻

ヒーロー一行は順調に星々を進み
着々とさっちゃんの元へと
進んでゆく‥がその中で思い詰めた
ように悩むものが一人



「(‥‥)」



それは努力マンであった




「(救世主マン戦に双子の番人戦と
続いて勝利を収め、素晴らしき
戦歴を残した師匠)」



さすがだ
心の底から敬愛している
師匠なのだから当然だと思う。



「(チカラジマン戦であっさりと
勝利を収めた世直しマン)」



パワーアップして帰ってきたのだから
当然だ、そう感心した。




「(ハリー戦でトリックを見抜いた天才マン)」




さすがは天才マン、あっさりと見抜いた
そうは思うのだが‥だが




「(私は…私は本当にヒーロー協会の一員として役に立っているのだろうか…)」



そう悩む弟に気がついた勝利マンは
努力マンに近寄ると彼の肩を叩いた



「努力、次の星へついたぞ」
「兄さん…」





また何か変な事心配して考えているな、
と勝利マンは次の星で弟が自信
を取り戻す事を願って次の星へ降りた。





「うげぇぇぇ〜っ‥さっっむ」




次の星は‥なんと春だと言うのに
季節外れの雪景色の星であった
常に腕を出したコスチュームの
大ガマは震えて腕をさすった。




「っししょ‥」
「ラッキーマン」
「!世直しマン」



震えて寒がる大ガマの元に駆け寄ろうと
した努力マンであったが
そんな大ガマの前に立ち、冷たい風を
防いだのは世直しマンであった
大ガマは世直しマンを見上げた




「これなら少しはマシだろう」
「おう、ありがとうな世直しマン」
「‥‥‥‥」



伸ばしかけた手を下ろして、
努力マンは俯いた‥その時
どこからともなく鈴の音が響いた



「ん?なんだ?」



鈴の音がする方を見ると、遠くから
ソリに乗った何者かが近づいて
来ていることに気がついた‥
そしてその人物はソリに乗ったまま
立ちはだかった。





「ワシは良い子の憧れ三太・サターンでーす!サンタに悪い人はいるわけねーよな!!」




どうみたってアンタがその悪い人である
どう見ても怪しい人物なのだが
たった一人、怪しまずに駆け寄る者が




「わーいサンタさんだプレゼントちょーだい!!」



スーパースターマンだった
三太に駆け寄ったスーパースターマンに
三太はニヤリと笑うと袋を広げる、すると!




「ひぇぇえー!?」
「なっ!?吸い込まれた!!」



スーパースターマンは袋の中に
吸い込まれてしまったのだ!!
そして袋の中で苦しんだあと
スーパースターマンは袋の中から
出して貰えた、のだが!!




「この袋の中に入った者は
オモチャになってしまうのでーす」
「「何ーっ!?!?」」



スーパースターマンは小さな
ぜんまいじかけのおもちゃと
なって出てきたのだ!




「ああ、お、俺小さく変に…頼むサンタ、元に戻してくれ!!」
「無理でーす。元に戻すことはできませーん」
「そ…そんな……じゃあ私はずっとこのまま…うっ!?、ぜ、ゼンマイが……」



スーパースターマンはぜんまいが止まり止まった。
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