デコレーション•ハリー!の巻

ヒーロー達の様子を見ているさっちゃんは
クスクスと笑いながらモニターを眺めバナナを齧る…



「ふふ、向こうの宇宙の1番パワーのあるやつはあの程度か」



そしてさっちゃんは後ろにいる
土蜘蛛に向けて声をかけた




「ラッキーマンのラッキーと実力
勝利マンの勝利への執念
世直しマンの力…救世主マン、
お前がH-1グランプリに
偵察に行った時に目に付いたのは
その3人だったな」
「!…」



土蜘蛛は一瞬目線を外すと
一息を着いて口を開く



「……実はその3人以外にも
警戒すべき者が…ヒーロー協会の
頭脳と言うべき男が」
「ほう、ヒーロー協会のブレーンか
言うてみいその男の名を」

「……天才マンでございます」




す、と土蜘蛛が指を指した先には
チカラジマンの鉄兜の破片で
キミスタと言う名の方向指示メカを
作った天才マンの先導で
次の星へ向かう一行…




「なるほど…黄桜確か次は
ハリーの星だったな」
「はっ」
「ふふふこれは丁度いいわい!
ハリーに伝えろ、天才マンを
引っ張り出し彼の頭脳を図れとな!
ぶわっはっはっはっ!!」




そう指示をして高笑いしていた
さっちゃんはふと無表情になると
土蜘蛛に向けて振りむいた




「所で救世主」
「はい、如何なされましたか」


「お前、ラッキーマンに
”土蜘蛛、土蜘蛛”って呼ばれて
いるがなんでお前”土蜘蛛”なんて
違う名前で呼ばれている?」
「!!」



さっちゃんからのその質問に
土蜘蛛は大きく体を揺らして
ダラダラと冷や汗を垂らし
少し黙り込むと…言葉を続ける




「…あやつが勝手に我輩に着けた名です」

「ほー?ではラッキーマンはお前の
事をまるで昔から知っている様に
接しているようだがそれは?」

「我輩の気を引くためにあやつが勝手に
妄言を吐いておるのみでございます…
我輩にラッキーマンと関わった記憶は
ありませぬ」
「…ふーん」




興味なさげにモニターに目を移した
さっちゃんに土蜘蛛はまた
小さく、安心したようなため息をついた




「……ふぅ………」
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