宇宙の危機の巻

そこから先は‥大ガマは周りの会話等
聞こえなかった。
ただただ、天才マンと勝利マンの言葉が
ぐるぐると頭の中に響いて‥




「ヤロー!!救世主マンどこ行きやがった!!奴は裏宇宙からこっちのヒーローを偵察しに来てやがったんだ!!」

「つまり…救世主マンはスパイでしかない、こっちでいうパシリ1号のようなもんだ」




「(なん、なに、が‥‥‥‥?)」




今なんて、と言いたくても
言葉が出てこない、上手く声を発せない
それ程に大ガマはショックだった‥




「(つち、ぐも、が‥‥‥土蜘蛛が‥‥







敵の組織の‥‥‥スパイ‥‥‥?)」




それ即ちどういうことか
土蜘蛛が‥彼がスパイだという事は‥
土蜘蛛が、敵だと言うことになる




「(土蜘蛛が、俺たちヒーローの敵‥?)」




それが一番のショックで‥
膝から崩れ落ちそうになり
大ガマの瞳に涙が込み上げた。



「(なん、なんでだよ‥‥!!!
あんたは、そんな奴じゃ‥‥
そんなはず‥!!)」



ぐっ、と目をぎゅっととじたその時
勝利マンの声が聞こえてきた。
大ガマがショックを受けている間にも
会長や勝利マンが話を進めており‥
話は裏宇宙に行く話になっていた






「ヒーロー神様の言う通りださっちゃんを舐めてはならん!!それにブラックホールに入ったら帰って来れんのかもしれんのだぞ!」
「‥構うもんか、ブラックホールの向こうには‥




親父がいるんだ!!」
「!!」




勝利マンのその言葉に大ガマは
はっ、と気がついた。




「(そうだ、ウジウジしてる暇があったら‥
裏宇宙に行って裏宇宙人を止めんのが
先じゃねえか!!!)」



勝利マンが何も迷わずそう告げたように‥
ウジウジしている暇はないと
裏宇宙へ行き宇宙を救わねば
そして‥







「(そんで宇宙制服なんざ考える
土蜘蛛の野郎の根性を!!
叩き直してやるぜ!!)」





そして土蜘蛛を正気に戻すのだと
大ガマは決意した
拳を握り大ガマは三兄弟の
すぐ後に続いて飛んで行った。




「ああっ!!ラッキーマン!!
待ってください!」
「天才マン!!ラッキーマン!!待て!!」





大ガマの後に続いて天才マンも
ついて行き飛んでいく。
三兄弟を追いかけながら天才マンは
大ガマに声をかける。




「ラッキーマン、いいのですか
敵側には貴方の好騎手である
救世主マンがいる、彼と敵対する事に‥」
「俺はもう迷わねぇよ」




そう心配する天才マンに大ガマは
迷いを切り捨てた顔で笑いかけた。





「俺はな、あいつの根性叩き直しに
行くんだよ!!んで正気に戻して
連れて帰る!!」
「‥そうですか」




どうやら迷いを切り捨て、前を向く事が
できたと知った天才マンも
大ガマに笑い返した。
そして三兄弟に追いついて
あとからヒーロー協会のヒーローも
駆けつけて‥ヒーロー達は共に
ブラックホールの中へと進んで行った‥






「(待ってろ土蜘蛛!!この俺様が
あんたの目を覚まさせてやるぜ!!)」
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