孤独と絶望の涙の巻

「‥‥‥‥‥‥‥‥」



呆然‥として大ガマはその場に
膝をつき床を見つめていたが‥
ずり、ずりと自販機の影に隠れると
虚ろな目で‥‥涙を流す




「‥‥‥‥っく‥‥‥う‥‥‥!」




伸ばした手も届かずに‥
ようやく会えた好騎手からは
冷たい敬遠の目を向けられ
何も覚えておらぬと去っていった。




「‥‥‥やっと‥‥あえ‥て‥‥
なのに‥‥」



グズグズと泣き続け、1つの答えに
たどり着き‥力無く笑う




「は‥はは、そうか‥‥
みんなが皆‥前世の記憶がある訳
じゃあねぇってか‥‥‥」



前世の記憶がある自分次第がおかしい
のだと‥‥覚えている方がおかしい
のだとわかったその時、どうしようもない
気持ちが溢れた。



「‥‥忘れられる訳ねぇだろ‥‥」



あんなに楽しくて
あんなに毎日が新鮮で‥
忘れられない、大切な仲間の記憶
忘れろという方がおかしかった




「‥‥‥もしかしたら‥‥‥
あんたなら覚えてる、って
期待してたんだよぉぉ‥‥‥!!」



期待して近づいたが答えは否
目から溢れる涙は止まらずに
大ガマのコスチュームを
濡らしていく‥



「っふ、う‥‥‥あ‥あぁぁぁぁぁ‥!!」



もうこうなったら泣こう
泣いて泣いて、悲しい気持ちも
全て涙とともに洗い流して
前を向くしかない
大ガマは‥その場で気持ちが晴れるまで
泣いて泣いて、泣き続ける‥

その中、口をついて出た言葉




「‥‥‥っ‥‥‥あ‥う、」



震える声で、今まで耐えていた言葉が出る




「‥‥ラッキーマンじゃねぇ‥‥
洋一じゃねぇ‥‥俺、は‥大ガマ‥だ‥」

「会いたい‥あいた‥い、」





心の底から、会いたくなった
仲間を思い泣いた。




「キュウビ‥‥大やもり‥‥
ヒライ、神‥‥皆‥‥ぁ‥」




本家軍の妖怪の名を一人一人呟き、
体育座りの体制のまま縮こまり
膝に顔を埋めて声を押し殺した。
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