土蜘蛛と大ガマ その再会の巻

第6試合、ナイスマンvsトップマンは
ナイスマンの勝利で終わり
続くと思われたのだが…
ここで会長の妻から電話がかかり
無理やりの休憩タイムとなった。



「ふっ、休憩中にトイレだ…あぁ
イメージが」
「僕も行きまちゅー!」
「……」



天才マンとぼっちゃんマンがトイレに
行く中…大ガマは上の空でぼうっ、と
してヒーロー席の椅子に座っていた…
思い出すのは先程の光景





「お主がラッキーマンか」

「……俺の事を…大ガマと、呼ばなかった…」





土蜘蛛は自分の事を「大ガマ」ではなく
「ラッキーマン」と呼んだ…それが
一体どういうことか、と大ガマは
深く悩んでいた………
悩んで、考えて…頭を左右に降った




「……考え込んでも仕方ないな……
そうだ、なんか飲みもんでも買ってこよう」



後ろ向きな気持ちでいても
仕方ない、気持ちを切り替えようと
大ガマは席をたち会場内の
自販機へと向かった…
出入口から会場内に入り
自販機を見つけ、自販機の前まで
行こうとしたその時だった





「ラッキーマンよ」
「!!」




突如後ろから聞こえた声
…何度も聞いたその声に大ガマは固まる
声の主は続ける




「お主があの世直しマンを追い詰めた
実力のあるこの宇宙一のヒーロー
ラッキーマンであるな?噂は聞いておるぞ」
「…………つ……」




震える体で、ゆっくりと振り向くと
そこには予想通り……土蜘蛛の姿があった
彼は口元をニヤリとあげながら
大ガマに向かっていた




「いやぁ何、1度お主と話したかったのだ」
「っ!!!」




その言葉に大ガマの感情は
壊れたダムから溢れ出した水のように
して溢れ出て、感情のままに
大ガマは土蜘蛛の肩を掴んだ




「土蜘蛛………土蜘蛛ぉ!!!」
「!」



土蜘蛛の肩を掴むとそのまま
目を涙がいっぱいにさせて
泣きそうになりながらまくし立てた。



「俺…俺、ずっとあんたに会いたかった!
まだ前世で、妖魔界にいた時あんたと
喧嘩したまんま死んじまって…
あんたに謝れないまま終わっちまって!!
その事をずっと後悔してたんだ!!
ごめん!!ごめんよ土蜘蛛!!」
「……」




熱い涙が頬を伝って流れゆく…
ボロボロと涙を流しながら
前世での後悔を、今まで我慢していた
思いを全て彼に伝える




「でも、この世界で…この宇宙で
会えて良かった、これからは」


















「何を訳の分からぬ事を抜かす」
1/4ページ
スキ