蜘蛛の糸引く救世主の巻

「ま、まさか…努力の足技を!?」


そして土蜘蛛は受け止めた努力マンの足に
片手をかざすと…


キュー………



努力マンの鉄下駄はまるで
土蜘蛛の左腕に吸い込まれるよう
にして忽然と消えた
大ガマは驚愕して立ち上がる




「努力の鉄下駄が消えた!?
あの腕どうなってんだ!!
あんな腕、あいつ」
「ブラックホール…」
「は!?ブラックホールって…」

「ブラックホール…宇宙に実在するミステリーゾーンだ…そこへ近づいたものは全て吸い込まれ吸収され1度吸い込まれたら何者でも出られないし誰もその向こう側を知らない…
恐らく救世主マンの腕はブラックホールを
操れるのでしょう」




大ガマは呆然、として土蜘蛛を見る
…そんな力を転生した彼が
手に入れたというのか?




「………土蜘蛛………あんた、一体」




無表情で交戦していた土蜘蛛は
顔を上げ、観客の方を見渡すと
口を開き大きく声を張り上げる



「この宇宙に住む全ての者よ聞くが良い!!」



「「!!」」




土蜘蛛の言葉にヒーローたちも
観客も身を固めて彼の言葉に
耳を傾けた
土蜘蛛は堂々と仁王立ちし語る





「この!!この我輩こそが!!
この世の全てを救うことが出来る救世主
であり…そしてこの左手こそがそれを可能とする救世手だ!!」






すぅ、と宇宙色の左腕を見せつけるよう
にしてさし伸ばすと…次に左腕を
下ろして右手の拳を握り努力マンに向ける!




「しかしお主ら如き!!我輩の
左手を使うまでもないであろう!!」

「っ!!努力!!あぶねぇ!!」





咄嗟に大ガマが叫んだが
もう既に遅かった…!








「救世拳!!!」





ズギューーーン!!!!と言う
効果音を出し、土蜘蛛の右手から
衝撃波が発射され命中した努力マンは
内蔵をやられたのか血を吐きながら
塀へと飛ばされ、体をたたきつけられ
大量の血の海に沈んだ…
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