聖なるヒロインの巻

「私は弟のためにヒーローになる!」



ラマンは涙を流しながらも
大ガマに指を突きつけて
会長に目線をやった



「会長!!もし私が世直しマンも倒した
運と力を兼ね揃えた宇宙一のヒーローと
呼ばれているこのラッキーマンに勝ったら!
私を正式なヒーローにしてください!!
お願いします!」

「……否!」



びく、とラマンは肩を揺らしたが
会長は優しく微笑んでいた



「キミはもう立派なヒーローだ!天才マンの『カッ』で残った16人を正式なヒーローとして認めるとわしは宣言した!その言葉に二言は無い!!」
「、会長…!!」
「もうなんの遠慮も要らない‥これから
女の子もヒーローになれる!!そして君の強さを見せなさい」
「はい!!」





ラマンは笑顔で頷くと、
今度は真剣な表情で大ガマに向かう




「それなら俺も強さを見せつけるつもりで
やらせてもらうぜ!!」
「負けないわよ、ラッキーマン!!」
「カモン!!」




再び大ガマに向けて錨の鎖を
飛ばして彼を拘束せんと攻撃するが
大ガマは高く飛び上がり、ラマンの
後ろへ降り立った。




「!!後ろ…!!」



咄嗟にラマンは後ろを向き
ドッゴーン!!を打つ体制を
取るが…




トン!!




「っう…!!」




大ガマは素早くラマンの首に手刀を
入れる、するとラマンは意識を失い
前へ倒れ込み…




「おっと…」




大ガマはすかさず抱きとめた
…そして、シンパンマンの声が上がる




「この試合、ラッキーマンの勝ちー!!」
『ラッキーマン!!素早く
手刀を入れて気絶させてセーラーマン
を倒したー!!』
「レディの体や顔に傷をつけるわけには
行かねーんでね」



ふっ、とシンパンマンに手をあげて
貰いながら大ガマは静かに笑った




「さすが師匠!!女性に対して
紳士的な対応!!」
「……」




大ガマの試合を見た土蜘蛛は
無表情を保っていたかと思われたが…





「……ふ……」




一瞬だけ、一瞬だけ口角を
優しく上げた…
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