聖なるヒロインの巻

漁師である父と母が死んで
幼い弟との2人暮らしが始まった…
毎日アルバイトと内職をこなして
日銭を稼いで家計を支えた…
その頃からラマンは弟の父であり
母でもあった…
だが貧乏な事が原因で…弟はいじめられていた
ラマンがとある日、いじめっ子から
弟を助けた時弟は言った




「やっぱりラマン姉ちゃんは強いや!!姉ちゃんならヒーローになれるんじゃない?」
「ヒーロー?」




ヒーロー

ヒーローになれば…きっとお金も
沢山貰えて弟に楽をさせて
やれるのだと思ったラマンは決めた




「うん分かった!お姉ちゃんヒーローになる!!その代わりポパイももう泣いちゃダメよ!!」
「うん分かった!もう泣かない約束する!」




その日から猛特訓が始まった
雨の日も風の日も努力して
強くなった…だが、




だがとある日彼女に現実が突きつけられた






「…女は…ヒーローにはなれないんだって……お前のねーちゃんは、バカだって」




中学になっても虐められていた
弟が泣きながら告げた現実…
そして手渡されたトーナメントの
チラシには…確かに




「ヒーローを目指している男子」



とかかれていた…




「ほんとに、僕たち馬鹿だったんだね‥」
「そんなことない!!ねーちゃんはヒーローになってみせる!!」
「無理だよ!!!だってねーちゃんは女じゃな」
「うるさい!!」



その日、初めてラマンは弟を
引っぱたいた…そして弟はショックで
引きこもり、ラマンも悩み苦しんだ



女の何がいけないの

どうして男じゃなきゃダメなの…




だが、悩んでいたのは…彼女だけだった



「姉ちゃん!!出来たよ!!」
「!?」




痩せこけた姿で、笑顔を見せながら
ポパイが出てきた。
ポパイは笑顔で部屋の中のものを指さす



「これだよ!!これを着てトーナメントに出てよ!!」
「こ、これは!!」



そこにあったのはハリボデのセーラーマン
これでトーナメントに出られるね、と
飲まず食わずでバリボデを作っていた
弟は倒れて意識不明…




テレビで見てる
強い男になるよ
ヒーローになって



それが意識を失う前の弟の言葉…
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