聖なるヒロインの巻

「お………女……?」



呆然、と言ったように大ガマは
目の前のセーラー服の彼女を見る…
彼女は足を開いて大ガマに向け構える



「行くわよラッキーマン」
「!(来る!!)」



セーラーマンの耳の煙突部分が
大ガマに向けられ、大ガマは
避ける体制をとる…すると



ドッゴーン!!!!




「っと!!」




ひらりと前に滑り込む様にして
避けると大ガマが先程居た場所に
穴が空いた…ガンジョーダXの
試合台に穴が空いたのだ!!



『す、すごい破壊力です!!ガンジョーダXてできている試合台に穴が!!』
「やるじゃねーの」
「今度は逃がさないわよ」



チャリ、とセーラーマンは
袖から錨の着いた鎖を取り出すと…
大ガマへ向けて飛ばす!!




「わっと!!よいしょっと!!」




大ガマはその錨の鎖をひょいひょいと
かわしていく…
セーラーマンと大ガマか激戦を
繰り広げる様子に他のヒーローも唸る




「師匠と互角に戦っている…!」
「やるじゃねーかあの女」




だがその時観客から声が…




「でもトーナメントに女が出ていいんだっけ‥?」
「っ!!」



その言葉にセーラーマンは止まった…
そしてその言葉に会長も反応した





「た‥確かにトーナメントには‥そう書いてあ‥」
「あ‥!?おい、セーラーマン…」




会長のその言葉を聞いたセーラーマンは
真っ青なその目からポロポロと悔し涙を
流しており大ガマは思わず1歩、彼女に
近づく…と彼女は語る




「……そうよ!!私は女…!本当の名前はセーラーマンじゃなくて、聖・ラマン!」



セーラーマン改め聖・ラマンは涙を拭って顔を上げた。



「どうしても正式なヒーローになりたくてあんなハリボテを着てセーラーマンと名乗り、男のふりをして大会に出たのよ。結構情けなかったけどね」
「…あんた何故そこまでして」



大ガマがそう聞くとラマンは
少し間を置いて口を開く



「‥私が6歳の時、漁師をしていた両親は漁船が沈没して死んだわ‥」
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