聖なるヒロインの巻

「…はっ、あ……つ…つち……!!」



目の前にいる土蜘蛛の存在が
信じられない、と言ったように
震えながら彼を真っ直ぐに見つめる…
そして大ガマは思考をめぐらせる




「(土蜘蛛?あいつ、本当に土蜘蛛
なのか…?仮面と鉄兜で顔がよく
見えねぇけど……もしかしたら別人
かも、嫌でもあの姿あの髪型…)」




本当に土蜘蛛なのか
それとも別人なのか…
確かめるために1歩、1歩と
彼の方に歩みよると手を伸ばす




「っ……な、なぁ…………つ…………」



もう少しで、と思ったその時



「えぇーーーっ!!ふざけんな
ジジーーーっ!!」
「そーだそーだ!」
「!?」




突然観客からブーイングが飛び
何事だとブーイングの先を見ると
会長とひしょ香ちゃんが




「これは会長であるワシの責任においての会長命令だ!そして…もし今度作ったトーナメント表がまた偏っていたり、みんなの納得のいかない物だったら……ひしょ香君にはワシの秘書を辞めてもらう」
「(…あ、なるほど現状がわかったぜ…)」




いきなり何かと思ったが…
どうやらトーナメント表はひしょ香が
作り直すこととなっている事を
知った大ガマはひしょ香に目をやる



そう告げると会長は、資料をひしょ香ちゃんに
手渡す‥



「やってくれるか?ひしょ香くん」

「‥!」


ひしょ香ちゃんは決意が
満ちた顔で頷いて秘書室へ向かった‥
そして10時間後…
ひしょ香ちゃんはコケたほほに
ヨレヨレになった姿で出てきた




「で‥てきました会長‥」
「う、うむ‥!!」


ひしょ香ちゃんはトーナメント表を渡すと
ふらり‥と会長の腕に倒れてしまう



「あぁ!!ひしょ香くん!!」
「‥むむっ、このトーナメント表は!!」



トーナメント表を見た天才マンは
そのトーナメント表の出来に
素晴らしい、とうなった




「素晴らしい、この天才でもここまでは!!」

「知らねーけど天才マンがそう言うなら良くできてるぞーっ!」
「今度は文句ねーぞひしょ香ちゃーん!」
「やればできるんじゃないかーっ!」
「よっ、宇宙一の秘書ーっ!」



観客からもヒーロー達からも
賞賛の声を受けたひしょ香ちゃんは
ニッコリ、と笑った。
1/7ページ
スキ