ひしょひしょ、ひしょ香ちゃんの巻

なんだかんだでスーパースターマンの
参戦も決まり一同は改めて試合場へと
向かう…試合場は隣の星に作られていた
暫く車で走り、試合場のドアの前へ着いた



「そしてこの扉の向こうが試合場だ…」


会長が合言葉を言うと扉が開き…


「「おおーーーっ!!」」


その扉の向こうに広がっていた風景は、
床も客席もキラキラと輝き…試合場には
「HERO」の文字が書かれたきらびやかな会場となっていた




「ヒュー!良いねぇ、派手で
煌びやかなのは好みだぜ!」
「宇宙一の建築家に設計してもらったんだすごいだろう?」
それにこの試合場は全て宇宙一硬い物質、
ガンジョーダXでできている」
「ほう?どれ…”カッ!!”」



試しに天才マンがカッ!!を繰り出したが
試合場は全く壊れなかった



「なるほど確かにガンジョーダXだ、私のカッ!でもビクともせん」
「少し大あばれしても会場が壊れる
なんて事は無さそうだな、安心だぜ」
「でしょでしょー?」


会長は得意げな顔でふん!!と鼻を鳴らした。



「早くここで試合がしたくなってきたぜ」
「そう焦るな勝利マン、試合は2週間後だ!!それまでトレーニングをして自分の技を磨いておくように!!」
「けっ!!待ちきれねぇぜ!!それに俺にはトレーニングなんて必要ねぇ!今のままでナンバーワンになってやるぜ!!」
「ふっ、この天才に勝てるかな?」

「…勝利マン、天才マンこのトーナメントを甘く見るな」

「「!?」」



燃えている天才マンと勝利マンに
先程とは違い真面目な声のトーンで
会長が口を開く



「今回のトーナメントは今までのトーナメントとは規模が違う、全宇宙の隅々からヒーローを募集したのだ…それこそ誰も知らない宇宙の果てのような所までだ」
「それだけに本当にヒーローになりたいものだけが集まるとは限らん!!ヒーローに成りすましたどんな奴が紛れ込んでいるか分からんのだ!!」

「「…」」




そんなヒーローたちの様子を
上の方の観客席からじっ…と
見つめる影が1人…
仮面の下の蜂蜜色の瞳を
輝かせて腕を組み見ていたのは…




「…これっぽっちの硬さで胸を張るとは
表宇宙は大したことないのかもしれんなぁ」




大ガマたちと同時刻に着いていた
土蜘蛛…救世主マンだ
…彼は味方なのか?
それともヒーローに成りすました…?




「………………」




土蜘蛛はじっ…と上から大ガマの
姿を捕らえて見つめると…




「…………ふん」




ふい、と顔を背けてその場から消えた。




「………………ん?」




その視線に気がついた大ガマが
土蜘蛛がいた場所の方に
振り返ったがもう既に彼は消えていた
大ガマは首を傾げる。




「…なんか見られてた気がしたんだけど」
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