開催H-1グランプリの巻

「…………………」




頭の中にふっ、と…曇り空の中から現れる
異星人のUFOの姿が…
応戦するが倒れてゆく仲間達や
軍の妖怪…
そして、自分も異星人にやられて
意識が遠のいていく様子が蘇り、
大ガマは小さく俯きため息をついた




「………はぁ………」



そしてまた視線を宇宙に戻した。




「(……なんか最近こんな調子だな…
悪い予感がする………)」



そう大ガマが心の中で呟いたその時、
ヒーロー星へ向かう要塞のちょうど後ろから…




キュー…




可愛らしい音を立てて黒い空間の穴…
ブラックホールが現れその中から
鉄兜を被り、肩衣のような形をした
鎧を纏った男が現れ要塞を見つめた




「…この時が来たか」




その左腕の色は宇宙の色と溶け込んでいた
…要塞を見つめていたのは間違いなく…




「この宇宙の者の実力、見させてもらうぞ」





土蜘蛛であった…


大ガマと土蜘蛛
妖魔界の元妖怪で…
元祖、本家二大勢力の大将で…
ライバルで…
そして、異星人の襲来時に死んで
この世界に転生して来た二人が…



再会する時は、近い





「…こんなんじゃダメだ、気合い入れねぇと」

「宇宙のヒーロー共よ、我輩こそが
真の救世主である」




大ガマの額に輝く「大吉」
土蜘蛛の腰のベルトに輝く「救世主」


…2人の存在が、宇宙の平和を大きく
関係させるものとなる戦いが始まる
のはもうすぐだった




「…………そろそろヒーロー星へ行くか」




キュー…と、土蜘蛛はブラックホールの
中へ体を通して消えた…
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