もっと知りたい彼の前世の巻

ラッキーマン もとい 追手内洋一
正義感が強く歳の割には戦闘経験が
多い、世直しマンを追い詰めたヒーロー
だがその素の姿は自由奔放で
血の気が多い性格‥
だが、人をまとめる事が得意な
リーダーシップを持っている

それが彼‥



「(彼以外にヒーローと言う言葉が
似合うものはいない)」



天才はそう思い、彼を尊敬していた
助けられ、ヒーローとしての道を
示してくれた彼を‥
だが




「‥‥‥‥‥‥‥」




窓をぼんやり、と見つめて
考え込んでいる様子である大ガマを
天才は見つめていた
どうも彼の様子がおかしいことは
気がついていた
そしてなぜおかしくなったか
予想は着いていた




「(‥未だに、前世の事が忘れられない
気持ちが私には分からない)」




大ガマの秘密
それは前世の記憶が鮮明にあること
‥今でも、前世の記憶に縛られ
前の世界に未練があること




「‥‥‥‥」




一方大ガマは‥‥ぼんやりと窓の外の
景色を眺めながらも最近よく
見るようになった夢の内容を
何度も思い返していた




「(まただ、また‥土蜘蛛が俺を
殺そうとする夢を‥最近この夢ばっか)」




最近、ずっと見るようになった
土蜘蛛が自分を敵だとみなして
襲いかかる夢
その夢がただの夢とは思えなくて‥
その夢を見る度に大ガマは不安になる




「(‥あいつ、俺の事許さないまんま
死んだのかな‥俺の事恨んで死んだとか‥
だから今、こんな夢を見る‥とか)」




前世では結局喧嘩をしたまま
死に別れてしまった好敵手
‥自分の事を恨んだまま死んだから
あんな夢を見るのか、と
不安に思い‥胸が苦しくなる




「‥あ」



大ガマの目の前に、小さな蜘蛛が
上から糸を垂らしながら降りてきた
無意識に大ガマがその手をさし伸ばすと
蜘蛛は大ガマの手の上に降りた




「‥‥‥」



手の上に降りた蜘蛛を見ながら
土蜘蛛の事を思い出し‥
ぐ、と辛そうに顔を顰めた




「‥‥‥‥‥‥土蜘蛛‥‥‥‥‥」




あんな夢を連日見てしまうせいで‥
戻りたくなってしまった




「(‥妖魔界に‥戻りたくなっちまうだろ)」
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