喧嘩なんて情けねぇの巻

大ガマが通う中学の2年C組は
今や全学年、いいや全国から注目されるクラスとなっていた
なぜならこのクラスにはラッキーマンである
大ガマに努力マンである杉田努力
友情マンである厚井友情
に勝利マンである磯野勝利
天才マンである生月天才
ついでにスーパースターマンである
目立たがるがいるのだから…


「勝ーつ!!」
「「きゃー!」」
「ふっ…」
「「いやーん!!」」


そして今女子の人気を独占しているのは
天才と勝利とそして…



「…ぐー…」
「「やーん追手内くーん!」」
「師匠寝ちゃってるや…」



現在爆睡中の大ガマであった
机に突っ伏して寝る大ガマは
夢を見ていた…
その夢とは…



…………………………………………………………………………………


「…あれ…ここは、平釜平原…?」


大ガマが立っていたのはかつての
平釜平原であった、平釜平原は
今や見る影もない上に今いる世界は
自分の故郷とは全く違う世界
なのですぐに夢だと分かった大ガマは
何故こんな夢を見ているのかと
疑問に思った



「…………なんで今こんな夢………………
、まさかあいつがいるとか………
ないよな、まさか」



こんな夢を見ているのならばもしかして
”あいつ”もいるんじゃないかと
期待をしてはそんな事あるわけない、と
諦めたように笑った…が



さく…さく…




「!!」



遠くから聞こえる草を踏みしめる音
その音が聞こえた大ガマは背筋を
びくんと伸ばした
…そしてやけに早く鼓動を打つ心臓

大ガマはゆっくりと振り返り…
息を飲んだ
そこに居たのは…




「…………つ…ち…、ぐも…」



ずっと謝りたかった
ずっと会いたかった好敵手が
腕を組んで、その場に立っていた
…土蜘蛛の姿を目にした大ガマは
目に涙を貯めて彼に駆け寄った




「っ土蜘蛛!!!」



駆け寄った…が、その時




「……………せいっ!!」
「!?」



土蜘蛛は突然拳を手のひらに
叩きつける仕草をした、すると
大ガマの頭上から隕石が降って来た
大ガマは飛び退いて避けたが
尻もちを着いて、土蜘蛛を
見上げる形となった
大きくは土蜘蛛に問う




「何すんだ、土蜘蛛!!俺は、」
「…何を言う」



ふっ、と笑うと土蜘蛛は次の瞬間
不敵で不気味な笑みを浮かべた



「……目の前に討つべき敵がいると
言うのに何もせぬ阿呆が居るか!!」
「!?」



土蜘蛛のその返答に大ガマは絶句した
…土蜘蛛はジリジリと近づいてくる
その表情は好騎手に向けるものでは無い
かつてのような仕方ないな、というような顔をして微笑む彼はいなかった
その表情は憎悪と憎しみに溢れていた。



「大ガマ…その命、貰った!!」
「ま…待てよ、土蜘蛛、俺、あんたとやる気は…!」



土蜘蛛が目の前まで迫ると、
土蜘蛛は……………




「っわぁぁぁぁぁ!?!?」




と、そこで大ガマの夢は覚めて
大ガマは飛び起きた。
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