さらば世直しマンの巻

一方その頃ロケットでは、
ロケットは太陽の近くまで飛んできており
内部はどんどん熱くなり温度が上がっていた
大ガマは汗を流しながらもニヤリと笑う



「…へっ、近くまで来たようだな…
さすがにあちぃや」
「……………何故だ」
「あん?」



世直しマンに逃げる気がないことを
察した大ガマは槍を下ろしてハチマキに
戻して頭に巻き直す
そんな大ガマに世直しマンは尋ねた



「…………何故私と共に生涯を終える覚悟が
お前にあるんだ………私を殺してロケットから
出るくらいお前にはできただろう」
「…………さっきも言ったろ、あんたの死を
見届ける為………それに、これは俺が
あんたに与えた慈悲でもある」
「慈悲…?」



どこか遠い瞳で…懐かしげな、でも
寂しげな瞳で大ガマは笑った




「1人で死ぬのは辛いだろうが
俺は1度死んだことがあるから
その辛さは知ってる」
「…!!」
「………隣にあいつが居たら未練なんて
残さなかったのに、っていつも思ってた」




妖魔界が崩壊し、死ぬ際自分は
1人倒れて死んで行った
ああ、終わるのならば喧嘩したまま
だった土蜘蛛に謝っておけばよかった

土蜘蛛に会いたい

そんな思いを抱いて…




「だから仕方ねぇから一緒にいてやるよ」
「………………」



どっこらせ、と腰を下ろして大ガマは
そのまま世直しマンの真ん前で
あぐらをかいて座り込んだ
…ロケット内部は燃え始めており、
世直しマンはそんな大ガマの行動に
言葉に黙り込んでいた


……………………………………………………………………………



「も、もう止められん…あぁ、ラッキーマン…
貴方は本当に立派で…素晴らしいヒーローだ…」
「世直しマンを倒すにはあの手段しか…」
「カッコつけすぎだぜ…」
「馬鹿なヤツだラッキーマン、
自分も死んだら引き分けだろうが…
俺との決着がつかないまんま死ぬ気か!」
「し、師匠…っ」
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