花の命は短くて…の巻

牧師の前に並んだ大ガマとみっちゃん
こうしてる場合じゃないのに、と
思ってはしまうのだが隣の乙女が
嬉しそうに頬を染めているのを見ると
無下にはできないと大人しく
彼女の言うとおりに従っていた



「綺麗田見代は健やかなる時も
やめる時もラッキーマンを愛し続ける
と誓いますか?」
「は…はい」



みっちゃんは頬を染めて頷いて
隣の大ガマを見上げる


…ああ、幸せだ
心から愛する人の隣で
これから笑って過ごせるのだと



…思っていた




思っていた のに






ドン!!!





「「!?」」




それはあまりにも突然の出来事だった
あまりにも突然の出来事だったからこそ
大ガマでも…天才マンでも…防ぐ事が出来なかった





「…………は…………?」




呆然、として隣の少女を目に移す
目の前に拡がっている光景が大ガマには
まだ、脳内にまで入ってこなかった



……信じたくない、咄嗟に理解できない



みっちゃんの胸を…世直しマンの
気功波が貫いているという事実なんて…





「けっ、めちゃくちゃにやってたら
小娘をやっちまったか」




上の悪魔の声が大ガマの耳にねじ込まれた


何が…何が…!!




「……ぁ……」
「!!みっちゃん!!」




ふらり、と倒れたみっちゃん
を大ガマが素早く抱きとめた
大ガマに抱き止められたみっちゃんは
死ぬ直前だと言うのに…幸せそうに
笑って、大ガマを見つめていた




「みっちゃん!!しっかり!!」
「らっきー、様…み…見代は…幸せよ…
だって…らっきー、様の…お嫁さんに…
なって…死ねるんだもん…」
「…み…?」




助けてもらった時からずっと片思いしていた


強くて 格好よくて 正義感があって…
みっちゃんにとって大ガマは理想の人だった


そんな彼と結ばれて…彼に看取られて
死ねるならば本望だ
そう微笑んで言い残して…みっちゃんは
瞼を閉じ、力無くみっちゃんの手が下がる


…そこで…


大ガマはようやくみっちゃんの死を自覚した




「み……みっちゃーーーーーんっ!!!!
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