世直しマンその過去の巻

「やはりあれが正真正銘生身の世直しマン!」
「しかし傷が泣いているとは
不気味だな…あの傷、古いもんだぞ」
「恐らく過去に追った傷でしょう…」
「う~む…傷だらけの人生か…なんかカッコイイかも」



ふっ、と世直しマンは鼻で笑い
どこが遠くを見つめて口を開く



「…傷だらけの人生か、そうかもしれん……いいだろう教えてやる、この傷が血の涙を流し続けるその理由を」



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300万年前まだヒーローというものがいない時代…宇宙は力が支配していた
力あるものが全てを得た、食料に住居…財産…自由…そして自由さえも
世直しマンは最初から強いわけでは
無かった…非力星という星が彼の
故郷であり…その名の通りこの星の
者はみんな非力で…強者に搾取される
毎日を送っていた



でも、両親と妹とで幸せに過ごしていた
お金が無くてもこの頃は幸せだった
強盗星人が来てから、食料もまともになくなり食べられるのは粥だけだった
でも家族がいるならば、幸せだった
でも父親は力があれば、と常に
嘆き悲しんでおり息子の世直しマンは
そんな姿を見て育ってきた


そんなある日…また強盗星人が現れ
世直しマンとその妹の飯を奪ったのだ



「ああ、僕のご飯」
「あたしのー」

「そ、そのご飯は……この子たちの物なのです‥この子たちはまだ育ちざかり…しかも1日にその一食しか食べられないのです……お願いします!それだけはどうかご勘弁を…!」

「ええい、俺に口答えするなーっ!!」



勇気を振り絞り懇願した世直しマンの
父はムチを振るわれ体に傷を負い倒れた
しかし世直しマンの父は諦めずに懇願した



「お…お願いです…!他の物ならなんでも差し上げます……だから、だからどうか子どものご飯だけは…!」
「…そんなにこの飯を返してほしいか?
ほらよ!!」



その懇願も聞かずに強盗星人は茶碗を
逆さにしてご飯を地面に落として踏みにじった


「な‥なんてことを‥!」
「ん…?なんだその目は!俺にたてつく気か!?」



世直しマンの父の態度が気に入らなかった
強盗星人は何度も世直しマンの父に
鞭をふるい、世直しマンの父の
傷はまた増えた



「父さん!!父さん、もうやめて!!僕いらない、もうご飯なんかいらないよ!!」
「このご飯を元に戻せ……それから、子どもたちに手をついて謝れ!!!」
「よくも俺にそんな口がきけたものだな!!いいかお前らよく見ておけ!!俺に逆らうとどうなるか!!!」



また何度も鞭を振るわれた世直しマンの
父はやがて倒れふしたまま動かなくなり
今度は世直しマンが前に立ちはだかった



「やめろおおおおお!!!」
「ふっ今度は息子が逆らうか!どうやらお前ら一家は反抗的な態度をとるらしい」

「やっつけてやる…!やっつけてやる…!」

「こういう者たちは生かしておくとろくな事がねぇ!!!」



今度は世直しマンに鞭の雨が降り注ぎ
世直しマンは何度も鞭で打たれて
意識を飛ばした…
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