電車に乗り揺られること数分…
住所をスマホに打ち込んで
案内のままに歩いてゆくと
妖の家に着いた
妖宅はアパートであった
そして彼の部屋は304号室



「……たしか一人暮らしだっけー」



同じクラスになってから番組と
絡む事が多くなり、臣也から聞いた事がある
妖は両親と仲が悪く中学一年の時から
一人暮らしをしているのだと
番組と絡んでみれば彼らは意外と
気さくで良い人だと琉絵は思う。




「……えと、ここだ」



304号室の前へ来ると緊張してきた
そうだ、一応…一人暮らしの男性の
所へ来たのだから…
改めて自分の行動力には度肝を抜かされる。



「…ここが唯とか千絵の家なら
緊張しないけどなぁ…」


まさか変な事なんて起こらないだろうと
そんなことを一瞬考えてしまい
頭を左右に降り余計な考えを飛ばして
ふう、と深呼吸をするとインターホンに
指を伸ばし……チャイムを押した、すると
チャイムが響いて少し間が空いて
妖の声が聞こえてきた



『はい』
「ひゃわ、あう」



少し間が空いたが応答してくれた妖だが
緊張して声が上ずって震えた声が出た
自分であることが分からない妖は
不機嫌そうに低い声で『どちらさん？』
と尋ねてきたが琉絵は
少し前のめりになり答えた。




「よ、っ妖、私…琉絵」
『んあ？琉絵…？』




扉の先にいるのが琉絵だと
気がついた妖は訝しげに名前を
呼ぶと、扉の外から歩いてくる
足音が聞こえてきた




「琉絵？なんだ」
「ひゃっ！？」



少ししてガチャり、と扉を開けた妖に
琉絵は下を向いていたが
彼の方を向いた、がなんと妖は
上半身裸で下はジャージのズボンだけと
言う姿で琉絵を見つめており
琉絵は思わず変な声が出た
髪の先からは水滴が滴っている