勝負の舞台は下に腐ったミカンが
敷き詰められた堀…妖と狂兵は
狭い足場にたち向かい合っていた。




「勝負の方法は至って簡単だ
両者が互いの左腕を縛りあい
相手を引っ張るなりして周りの堀に
落とせば勝ちである！！なおこの堀には
腐ったミカンが敷き詰められている！
どうだこれ以上に
平等かつおぞましい勝負法も
ないだろう！だろう！」
「あぁたしかにな」
「でも平等じゃないよー」



相手は刀を持っているのに対して
妖は右腕を負っており片腕
琉絵は心配そうに妖を
見守っていた
…そして勝負は始まる！！



「むん！！」
「くっ、」



相手が腕を引っ張る、と妖は
引きずられ足場が少し崩れる！！
妖のピンチにギャラリーが叫ぶ



「妖危ない落っこちる！！」
「やはりハンデが大きすぎるぞ！」
「しっかりー！！」



妖のピンチに悪田組のリーダーは
ニヤリと笑った。




「ふっ、噂ほどたいした
ことは無かったようだな貴様も！
地獄に落ちろ！」
「お前がな」




悪田組のリーダーが刀を振り上げた
その時、妖は自分と相手を
繋いでいるロープを前にして…
ロープを自ら切らせたのだ！！




「わっ！！とっ、たっ…！！
どわぁぁぁ！！！」




ロープを切られた悪田組リーダーは
堀の腐ったミカンの海に落ちて
敗北し、ギャラリーは妖の勝利に湧いた。




「妖！！よかった、大丈夫？」
「あんな奴に負ける俺じゃねぇっつったろ」
「だ、大丈夫っすか！？」
「くそっ…今日はこの位で勘弁してやる
首を洗って待っていろ！！
者共引き上げだ！！」




ミカンの海から上がった悪田組のリーダーと
悪田組はそう言い残すと地下室へと
戻っていき…妖や琉絵や
ギャラリーは首を傾げていた。



「う〜むどこまでも負け惜しみの
強いヤツ」
「なんだったんだろうね」